うちのオカンが新聞詐欺に遭いそうになりました

電話は突然かかってきました。

「A新聞ですが、そちらから2年契約を頂いたので、4月から新聞を配達いたします」

うちは昔、確かにA新聞をとってましたが、5年以上前にやめて、今はB新聞に変えています。なので母が、そんなわけがないと言うと、

「でもこちらには契約書があります」

と言い、男が本当にその契約書を持って、家までやってきました。契約書を見ると、明らかに他人の筆跡で父の名前が書かれており、印鑑まで押されていました。もちろんそんな契約書は交わした覚えがなく、母がそう言うと、なんと男は

「それは契約違反です。貴方のなさることは違法行為ですよ」

と意味不明なことを言ってきます。すると母が怒って、

「なんやのよ、この契約書!あんた、さっきインターネットで調べたけど、こういうの私文書偽造っていうんやで。あんたこそ犯罪やないの。詐欺や!帰って!」

と言い、男は一瞬まごつきました。これで引き下がるかと思いきや、今度は、

「僕に詐欺と言ったことを謝って下さい」

などと言い出し、立ち去る気配がありません。いよいよ母も不安になって、向かいの奥さんを呼び、助けを求めました。出てきた奥さんが加勢してくれ、

「うち、あんたのとこで契約してるけど、こんなことしてるんやったらやめるわ!」

と怒りました。するとようやく男は帰ったのですが、立ち去る際、

「僕は親切で来たんですからね。今の会話は録音してるから訴えますよ」

と、なんともわけのわからない捨て台詞を吐いておりました。その夜、帰宅した父に母がその話をすると、父はA新聞に電話してみようと言い、配達店にかけてみました。きっと詐欺グループの仕業だから、例の男はいないだろうと思いきや、なんとそいつはいました。
本当にA新聞の従業員だったようです。ということは、つまり契約書も、過去に契約していた時の個人情報を勝手に持ち出して作ったのだとわかりました。父が怒って

「今すぐ謝りに来い!」

と言うと、またその男は現れて、

「あなたの奥さんが僕を詐欺だと言った。謝って下さい」

とまだ言います。そしてまた契約書を見せてきましたが、自分の書いた覚えのないものに父が騙されるわけありません。怒った父は、ちょっと喚き散らした後、

「お前のことは本社に報告するからな!」

と怒鳴りました。すると男はようやく諦めたのですが、退散する際にまた、

「そのことを本社に報告して僕がクビになったら、それは貴方のせいです。今の暴言も全て録音していますから、僕がクビになったら訴えますからね」

と言い残して去っていきました。

阿呆な男の言い分とはいえ、もしこれでトラブルに巻き込まれたらえらいことです。なので両親は、その後すぐに消費者センターに連絡しました。

そしたら「今、新聞詐欺の苦情がすごく多いんです!」とセンターの人が仰っていたようです。配達店は基本的に新聞社からの委託で、本社も目が行き届いていない模様。とはいえ、そういうことが起こってるのは知ってるはずですが……。
何せこういうことが増えてるそうで、実際お金を取られた人もいるようです。特に一人暮らしのお年寄りなどは、気をつけて頂きたいと思います。

以上、乱文につき失礼致しました。