ゼレンスキー大統領の演説に出てきた”人影の石”

原爆の強烈な熱線により階段は白っぽく変色し、腰掛けていた部分が影のように黒くなって残りました。
この人影が自分の親族のものではないかという申し出が、複数のご遺族から寄せられています。

銕谷伸一ちゃん(当時3歳11カ月)は、この三輪車で遊んでいる時に被爆しました。全身に大けがや大火傷を負った伸一ちゃんは「水、水……」とうめきながらその晩亡くなりました。父親は、伸一ちゃんにこの鉄かぶとをかぶせ、死んでからも遊べるようにと三輪車とともに庭に埋めました。
父親は被爆から40年後に遺骨を墓所に移すことにしました。これらを掘り起こした時、鉄かぶとの中には伸一ちゃんの丸い頭の骨が残っていました。