いいですか……青い国が「気安く犬に近寄ってもさほど危なくない国」です……

2013年7月16日台湾行政院農業委員会は、狂犬病ウイルスに感染した野生のイタチアナグマ3匹が確認されたことを公表しました。これにより2013年7月17日現在、狂犬病が発生していないのは、日本、アイスランド、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、英国(グレートブリテン及び北アイルランド)、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ諸島、グアム 以上11の国と地域のみです。

島国や高い山脈に隔てられた半島など地理的に動物が行き来しにくい地域に限られています。
日本にいるとあまり実感できませんが、世界的には、狂犬病の発生は増加傾向にあります。海外との人や動物の移動が盛んな今日では、日本に狂犬病がいつ侵入してきてもおかしくない状況にあります。
1997年まで狂犬病の発生が無かったインドネシアのフローレス島では、漁師の船に乗って来た、たった3頭の犬の中から狂犬病が発生し、3年後には全島に流行しました。流行を阻止するために50万頭の犬(犬総数の63%)が処分され、3年間で計81人が死亡しました。

また世界の発生状況(WHO、2004年)では、年間の死亡者数推計が55,000人(うち、アジア地域31,000人、アフリカ地域24,000人)にのぼり、年間の暴露後ワクチン接種者数推計 1千万人にもなっています。

狂犬病は、一度侵入し流行してしまうと、その撲滅に莫大な時間と費用がかかり、また多くの命が犠牲になってしまいます。
疫学的には、集団の70%以上が予防接種を受けていれば、感染症の流行を防ぐことができると言われています。
万が一の狂犬病侵入に備えて、発生の無い日本でも、狂犬病予防注射は重要なのです。