キーを押し間違えて作りかけの文章を消してしまった時、あるいはオンライン授業のビデオを失敗し撮り直す時、私は仏教学者・中村元の逸話を思い出すことにしている。中村は『仏教語大辞典』の原稿を20数年かけてしあげた。400 字詰め原稿用紙で約 2 万枚。それを受け取った出版社が、紛失した。(続く)
— 加藤徹(KATO Toru) (@katotoru1963) January 26, 2022
リンゴ箱に入った2万枚の原稿を、出版社の人間がゴミと勘違いして出してしまったらしい。懸賞金つきで新
聞紙上でも呼びかけたが、出てこなかった。出版社の人が中村元のもとに、謝罪のために訪れた。20数年の仕事が、出版社のミスで消えたのである。出版社の人に対して、中村元は(続く)— 加藤徹(KATO Toru) (@katotoru1963) January 26, 2022
怒らず「怒ったって、出てこないでしょう」と述べた。とはいえ、 1 カ月ほどは茫然自失の状態だった。中村の妻は「あなた、ぼうっとしていてもしょうがないでしょう。もう 1 回やりなおしたら」と言った。中村は「それも、そうだな」と言い、8 年がかりで『仏教語大辞典』の原稿を作り直した。(続く)
— 加藤徹(KATO Toru) (@katotoru1963) January 26, 2022
たいへんな回り道だったが、中村元は「やり直したおかげでずっといいものができました、逆縁が転じて順縁となりました」と喜んだとか。さすが、仏教の大学者である。出典は、植木雅俊先生の「絶妙だった鳩摩羅什訳―サンスクリット語から『法華経』『維摩経』を翻訳して―」https://t.co/KO07QcRaiF
— 加藤徹(KATO Toru) (@katotoru1963) January 26, 2022
ということで、学生のみなさん。もし教員から「この期末レポートは、書き直しなさい」と言われても、怒らないでくださいね。「せっかく4時間もかけて書き上げたレポートなのに!」などと怒りたい気持ちはわかるけど、書き直したらずっといいものになる、と思うからこその発言なのです(^^;;
— 加藤徹(KATO Toru) (@katotoru1963) January 26, 2022
この話を聞いてふと思い出したのは、これー
怒り(悪口)は受け取らなければ相手のもの丨智慧あるものに怒りなし
逸話と直接の関連はないでしょうが、普通《怒り》を感じる筈の場面でも《怒らなかった》ー
すごい話ですな????https://t.co/UWu8JKIUr5— 春のワルツ (@chesspl071973) January 26, 2022
同じ編集者として、担当者のその後を知りたい??
— ジムの哲人(タミル語勉強中) (@gym_no_sophist) January 26, 2022
その時 最悪だ??と思う出来事が、実は 未来の最高の瞬間の為に起こる??よく経験させてもらえるので 最悪な事が起こると ウキウキする様になりました??そう考えると 人生ってゲームみたいな気がしてきます。
— miro (@miro79273750) January 26, 2022
いい話だけど出版社は作り直した際のギャラは2倍以上は払ったのだろうか
謝罪としてだけでなく作業量としても最低そのくらい払うべきだと思うけど‥— ナガピー (@koki_N0901) January 26, 2022
何となく使っていたこの本にそんなストーリーがあったとは驚きです。 pic.twitter.com/LuAI1nbhjG
— SEI和尚?? (@Tl2sF) January 27, 2022
イイハナシ
優勝旗なくした富士通もきっと
もっといい優勝旗作れそう— ERIM@Dunning?Kruger (@twi_ERIM) January 26, 2022
出版社ミスで原稿を紛失した場合、原稿料の数倍の慰謝料を払う規定になっている社がある、というのを読んだことがあります。
今回の中村氏の逸話は、そんなことを完全に超越して「より良い成果をアウトプットする」行為の意義を見た思いがします。
— serow:消費税減税・国債発行推奨 (@serow01) January 26, 2022
そして戻しすぎたらCtrl + Yですね、
ワード、エクセルなどで大変お世話になります上書き保存とか完全に削除とか本体の故障とかでシャレにならんのもあるから、大事なものなら転ばぬ先の杖としてバックアップ取るのも良いですね……
— 文道館(ネコだいすき)語文セミロング (@bundoukan) January 26, 2022
中村元が20年かけた2万枚の原稿を出版社が紛失したが、「怒ったら原稿が見付かるわけでもない」と怒りもせず、8年かけて描き直して完結させたっていう話、美談みたいに流布してるけど
刊行させたのそことは別の出版社なので
表に出さなかっただけで怒ってたと思うし
最初の出版社だと思うよ— 平野耕太 (@hiranokohta) January 26, 2022
そらそうよなあ、怒るよなあ刊行後じゃなくて刊行前に破棄だもん
— 平野耕太 (@hiranokohta) January 27, 2022