ツナ缶虫混入で1億円超賠償命令 はごろもの下請け業者に(共同通信) – Yahoo!ニュース
わたしツナ缶の詳しさには自信あるから、この事故について語ってもいいよね
いち「理論上一般消費者が知りうる情報をほぼすべて得た人」として、語らせてください https://t.co/rfsIPwNEhb— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
あらすじ:
・2014年頃に作られたシーチキンに虫の異物が混入
・2016年秋にそれを開けて「異物混入騒動」が発覚
・下請け製造元の興津食品はただちに操業を停止、二度と操業再開せず
・2017年11月にはごろもが興津食品に「ブランドイメージを毀損した」と提訴
・2022年11月地裁判決、1.3億円賠償命令— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
私の見立てでは「賠償金の一部は払って、和解が成立するのでは」と考えていたため、判決が出たことは驚くと同時に、
食品衛生の悪魔、黒いアイツが1億3150万円 & 法人(缶詰会社)1社
という、おそらくペヤングを上回る日本史上最大のキルレに達した負の公式記録であると推察しています
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
ペヤンギスタのときにまるかが支払った代償も凄まじかったと覚えていますが、あの時のまるかは大筋で再建を応援されていました
一方で、はごろもは元請けの責任を批判され、興津食品は製造の瑕疵について批判されています。どちらもSNS上での印象が悪くなってしまった— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
17年に起きた訴訟の8億円というのも、はごろもが元請けとして「ふっかけた」金額に一見みえますが、実際ははごろもの負ったダメージをある程度正確に反映した金額を請求しています
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
興津が居なくなった分で失った製造能力をさまざまな形(他社への振り分け、原材料マグロの形の見直し、新清水プラント)で穴埋め それが出揃うまで輸入シーチキンの品目を増やしたり、シーチキンSmileやサラダシーチキンなど既存の製造能力に依存しない新製品を送り出し消費者の繋ぎ止めに尽力しました
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
訴訟の時点ではごろもの一人勝ちでも、興津の一人負けでもない、目に見えて泥沼の様相でした
だから一定額の和解金で…という風を想定して寝耳に水食らったわけです では、その興津はどうだったかというと— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
まず、同じ会社でたびたび(?)異物混入の報告がなされていました
2010年代に入ってから数度、いずれも虫の異物だったとされています。当該品は回収されました
その際にクリーンルーム(原材料を缶に詰める工程の部屋)の徹底に関する指導があった…と思われますが、ここに現場猫案件— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
G「せや!クリーンルームの外にある空缶に潜伏したろ!」
ツナ缶は、缶フタを下にした裏向きで充填されますし、充填前後にX線検査してもGは見つけられません(虫なので透過されます)
・空缶搬入工程の目視検査で見つける
・空き缶の在庫をクリーンルームの中に入れておく
くらいしか、回避策は…— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
そんなこんなあり、のちに1億円と1法人を破壊するシーチキンは2014年に興津から出荷され、2016年山梨のスーパーで買った消費者に「発見」されます。発見が報道に乗り、全国ニュースになるまでは時間がかかりませんでした
この時のはごろもの初動が、全てを分けました。ほんとうに、ほんとうに…
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
当初のはごろもは「(虫の混入なので)健康上被害はないね!当該品は回収した!ヨシ!」と声明
これまでの異物混入(虫)も、そうやって収めてきましたし、2013年シーチキンヒスタミン回収と違って健康被害はありません。前例に倣い、これでよかったのでしょうこの初動が、SNSを大爆発させるとも知らずに
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
SNS(とくにTwitterとFacebook)では、興津・はごろも両者への批判が集中します(ほぼ5:5くらい)
元請けが絞ったから下請けがこんなの出したんだとか、下請けが品質管理してないからこうなったんだとか、フタを開けたら裏向きのアイツが現れるというショッキングな体験に深く同情する方も多くいました— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
確か11月入ったばっかりの頃にNHK山梨の夕方番組で「修正なし」の当該シーチキンの画像が放送されたことで、私は空缶の段階でアイツが混入した可能性を確信しました
確かに 前例に倣えば「健康に問題はない
前例に倣えば「(これ以外の)回収の必要はない」
しかし、SNSで燃え盛る炎に見かねたのか、— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
・@消費者 非公開だけど、N年N月製のOKTロットのついたシーチキンLフレークを送ってくれたら回収するよ
・@小売店 非公開だけど、OKTロットのついたシーチキンLフレーク見つけたら送ってね、回収するよ
と進み、11月ついに
・@消費者・小売店 OKTと書かれた全シーチキン回収するよと至りました
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 8, 2022
この「OKTと書かれた全てのシーチキンを回収するよ」という公式発表が、一週間早ければ。ここまで激しく燃え、はごろもの言う「ブランドイメージの毀損」はかなり抑えられたのではないでしょうか
しかし、歴史にifは必要ありません。現に起こった損害から、はごろもはしばらくメディア対応に追われます— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
同じ時期、興津食品は、異物混入が「発見」され、最初にマスメディアに報道された翌日には、操業を停止しました
はごろもや保健所の立ち入り検査で異物混入の原因を探るためです。自転車で現地を眺めていましたが、さまざまな業者が入れ替わり立ち替わり事務所や工場建屋に入っていたのを覚えています— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
2017年頃、興津食品は、戦後1948年から続けていた缶詰工場の操業復帰を断念した…という風の声を聞きます
工場の従業員は同業他社などに再就職、会社そのものは手続きのために残しておくと。そして、はごろもフーズからの訴状が届くことになりました— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
…
シーチキンのイメージを毀損した、おそらくもっとも毀損されたであろう2016年3Q4Qの株主向け報告書を見ると、シーチキン商品群が異物混入騒動の風評で十数%減になったという表記がありました
ツナ缶全体で見ると、11・12月の生産高は5%程減っていたようでした年末の業界紙で「SNSで過剰反応」と…
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
あれだけのことがあって、缶詰業界は「SNSで過剰反応」と評するのか…そうかあ…って脱力しましたね…
なお、まるかさん興津さんの犠牲によって虫の異物混入はマジヤバということが食品工業全体に広がり
改修新設された工場では、虫が入りにくい搬入口、屋内の資材置場など混入対策が手厚くなりました— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
長井ずみは興津食品を応援していました https://t.co/S7yhym4wBP
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
ツナ缶めっちゃ好きだけどマジでこれ思うので「SNSで過剰反応」って業界紙が言い切ったのは温度差ァァとなりました… https://t.co/WfbY5C8Y9b
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
控訴審の結果が出たらまた語ります 普段はツナ缶やみかん缶のレビューしてる一般消費者なので 私はそういう感じの人なので
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
伊豆川さんは同業者になっちゃいますからね…でも冷凍ロイン使えば使うほど丸魚使われなくなるから、加工残さが減っちゃう…つらい…
— 長井ずみ (@zumix30contacts) November 9, 2022
とはいえ、作ってる人が言っちゃいけない…
— まなぶ (@manabu_hibi) November 9, 2022