「ぼくがつくったのはロールケーキなんだ!」
朝から彼は私を睨みながら言った。
「君がその折り紙で作ったロールケーキをカップケーキと言ってしまったことは謝るよ」
やれやれ。私はレモネードを1口飲
んで続けた。
「完璧な母親などと言ったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」— あーちゃん('-' 鮭)з? (@aachan_salmon) 2019年8月28日
「それで」と妻は部屋を見回して言った。
「あなたは何を見ていたのかしら」
壁に広がったクレヨンは、ジャクソン・ポロックの前衛絵画に似ていた。
「見ていたよ、ずっと」
「いいえ、見ていないわ。結局のところ、あなたは何も見ていないのよ」
妻の言うことはもっともだった。#村上春樹で語る育児— ぐでちちwith6y♀11m♀ (@gude_chichi) 2019年8月28日
「靴下?」
僕はびっくりして聞き返した。 いきなり見知らぬ通行人に話しかけられ、大きなハンマーで殴られたように混乱していた。
靴下?この炎天下で?
「よく分からないな」#0歳育児
#村上春樹で語る育児— たかざと @8M 保育園 (@takazato3) 2019年8月28日
彼女は柔らかな敷物の上で裸足になり、くるりくるりと廻った。何度も何度も廻った。
「目が回らないの」
私は彼女に問う。彼女の細い髪がふわりと舞って私の視界をけぶらせる。
「廻っているのは世界なの」
そんな笑顔を私に向けながら彼女は机に体をぶつけて泣いた。
#村上春樹で語る育児— 小宮ふみ@1y + 31w妊娠糖尿切迫入院 (@komihumi) 2019年8月28日
深夜2時、僕はひどく腹を立てていた。
言葉にならない言葉で捲し立てる。
「どうしたの…?」
懇願するような、或いは全てを諦めたような顔をして、彼女は僕を抱きしめた。
違う。結局のところ彼女は何もわかっちゃいなかった。縦だ。横ではない。ーー縦抱っこだ。
— ぴろしゅか (@_piroska_) 2019年8月28日
「これはとても個人的な話なんだけど」
ファミリー・レストランのテーブル席で彼は言った。
「そろそろ彼をあの台に連れて行ったほうがいいんじゃないかな」
あの台というのは、ふだん壁に向けて折り畳まれている、ぶっきらぼうなおむつ替え台のことだ。#村上春樹で語る育児— たかざと @8M 保育園 (@takazato3) 2019年8月28日
彼は横たわり目を閉じていた。少なくとも僕がちょっとした用でキッチンに立つまでは。
そして今僕の前には、らんらんと輝く瞳でどこかから取り出してきたキャッシュカードを無心になめている彼がいる。ディズニーデザインのやつだ。
「何をしているんだい」静かに僕は訊ねた。— えでん@39w→11m♂ (@tamura_maro9) 2019年8月28日
もう、この台詞を言うのは何度目だろう。聞き入れてもらったことなどないというのに。
「明日の準備、終わったの?」
彼、もしくは彼女の耳は、その台詞をまるで葉っぱの上の水滴のように転がして音符にし、そして今夜も踊るのだ。
— もてぃこ (@mochin22) 2019年8月28日
#村上春樹で語る育児
なにしろ夏休みの時間はたっぷりあったし、大抵はよく冷えたコークを飲みながらYoutubeを眺めて過ごした。
「ねえ、明日が何の日か気付いてる?」
「さあね、正直僕にはよく分からないんだ。」
母は気の毒そうに僕の顔を覗き込んでため息をついた。「明日から学校よ。」
— キャラメルマキアート???? (@mojosuke0204) 2019年8月28日
#村上春樹で語る育児
彼女は頑として口を開けなかった。何か不愉快なことがあったような表情だった。
「食べないの?」と僕は訊いた。
「今日は大好きな豆腐に野菜の餡をかけてみたんだ。豆腐はスプーンで潰してある。そうすると食べやすいだろう?新しくカブも加えてみたよ」— nekoma??????7m (@nekomar92892612) 2019年8月28日
僕は彼女の口にそれらを運んだ。
「それどころじゃないのよ」彼女は苦悶の表情を浮かべていた。
一体どうなっているんだ。僕はちらりとオムツの中を覗き込んだ。オムツの中は汚れ切っていたのだ。念の為もう一度覗き込んだが何も変わりなかった。— nekoma??????7m (@nekomar92892612) 2019年8月28日
つまり僕は離乳食を止めオムツ替えをしなければならいという事だ。
「やれやれ」と僕は言った。
慣れた手つきで離乳食を片付け、彼女を抱き上げてお風呂場へ連れていった。
彼女はようやく笑顔を僕に見せてくれた。— nekoma??????7m (@nekomar92892612) 2019年8月28日
これはいけない、と直感した。壁時計はパスタを茹で始めてから五分経ったことを容赦なく伝えている。あと一分半。その女は、茹で過ぎたパスタで作るペペロンチーノと、回りくどく冗長なオペラを最も嫌っていた。あと一分。その瞬間、糸が切れたように赤子が泣き出した。やれやれ。#村上春樹で語る育児
— 丸原 (@maruharra) 2019年8月28日
「悪いけど、今プラレールを組み立てているんです、あとにしてもらえないかな?」
「プラレール?」
彼女はあきれたような声を出した。
「あなたは朝の6時半にプラレールを組み立てているの?」#村上春樹で語る育児— 茶のもう (@teanomonomo) 2019年8月28日
「…ここで、かい?」
僕は訊き返した。
「そう、ここでよ。ここで抱っこして」こうなることは家を出るときに予想していたのかもしれないが、あるいは違う可能性を期待していたのかもしれない。
僕は腕に彼女を抱きかかえ、床に置かれた米を見つめた。#村上春樹で語る育児— ハパ (@niconicoikuji) 2019年8月29日
#村上春樹で語る育児
「ねぇ、高校行きたいと思ってる?」
「勿論。」
「勉強する?」
「今、すぐに?」
「夕食の後によ。」
「勿論勉強する。」
「でも私が訪ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ。」
「言い忘れてたんだ。」
母はコーヒーで口の中のパンを嚥み下してからじっと僕の顔を見た。— キャラメルマキアート???? (@mojosuke0204) 2019年8月28日
「そんなのってないわ」
まだサラダだって食べてないのよ、と私は抗議した。
「これはもう起こってしまったことなんだ。僕たちにはもうどうすることもできない。まっさらな、新しいオムツを用意するほかにはね。」
彼はそう言って、唸り声をあげている息子を抱き上げた。#村上春樹で語る育児— たかざと @8M 保育園 (@takazato3) 2019年8月28日
あの子にとっては、世界をひっくり返すなんて造作も無いことなのかもしれない。
僕が渡したコップの水は、気がつけば床の上に広がっている。
「誰が飲むと決めたの?」
遠のく意識の中で、世界にあの子の声が響く。
濡れた手が僕の頬に触れた。
#村上春樹で語る育児— ハパ (@niconicoikuji) 2019年8月28日
彼女の手には一枚のティッシュが握られていた。
「そのティッシュ、こちらに渡してくれるかい?」
僕が聞くと、彼女はこちらを見つめながら緩慢な動作でティッシュを口に入れる。
「まんま」
僕は頷き「なるほどね」と言った。勿論、何も納得はしていない。今だってそうだ。
#村上春樹で語る育児— まこと (@pom623) 2019年8月28日