応量器(修行僧食器)を扱う漆器屋・漆器専門家 小谷ロ剛さんがテレビ局の失礼な行動を明かしました
某在京キー局から「番組で応量器を使いたい、無償で送れ」という旨のメールを頂戴した。「無償は無理、卸もしていない。小売価格で通常通り注文ください」と返したら「それくらいタダでよこしてもいいでしょテレビで紹介してやるんだし」とキレた返信が来た。「それくらい」なら、払えばいいでしょ。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
ケチで失礼なのはテレビ局なのだが、なぜか私のほうがケチで失礼ってことになる。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
数千円の偽物を楽天ででも買うか、商売人な作り手や小売なら喜んで無償提供するだろうから、そちらへどうぞ。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
あと、少し前に関西のテレビ局から「応量器の写真を送れ」ってメールが来た。今のテレビの解像度に耐えうる画像などないしカメラもないので「物を送るから好きに撮って」と返事したら「あのね、時間かかるし人手も道具も必要、そんなこといちいちやってられないことも分からないの?」と返ってきた。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
私の時間や手間についてはどのようにお考えなのか、そしてそもそも私は写真を撮るのが仕事ではなく漆器を作るのが仕事、そちらに撮るプロがいるんだし番組の思い通りに撮ったほうが良いのでは、と返事したら、それ以来音沙汰なし。もうほんとやだ。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
ものすごく昔、3年B組金八先生で使うから漆器を送れ、感謝しろよテレビで使ってやるんだからというメールを頂戴した。同じような返信をしたら、すぐに脚本家から失礼を詫びるメールが来た。おまけに菓子折的な品が送られてきた。脚本家の自腹である。それくらい、テレビ局ってのはズレてる。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
スタイリストやコーディネーターがいるのだから、その人たちの範囲内でまかなっていればいい。ズレた態度で表に出てこないでほしい。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
世間の代表みたいに思ってるけど、世間とは隔絶された狂った場所、それがテレビをはじめとしたメディアの世界。出てこなくていい。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
3年B組金八先生の脚本家はその後も何かと手紙や品を送ってくださるようになった。でも、そのドラマで脚本家がやりたかった食育についての回は、なくなった。テレビ局が怒ったんだろうなあというのは田舎の馬鹿でも判る。そのことまで脚本家が私に詫びる。恐ろしい世界である。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
そんなこんなからほどなくして、その脚本家が癌にかかり、脚本家から降りたという手紙が、著書と一緒に送られてきた。その後のそのドラマは、えもいわれぬ気色悪いズレた価値観のもと、歪んだ善や正義を垂れる、安いお涙頂戴物語へと一気に腐り果てた。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
それからほどなくして、センテンススプリングが、脚本家は自ら降りたのではなく更迭されたというスクープを出した。そりゃそうだよ、と私は思った。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016
私は3年B組金八先生を観たことがなく、正直に最初にそう伝えた。観ない/観なかった理由は伝えなかった。脚本家は、だからいいんですよ、というようなことを仰った。器が寛い。テレビ局なら、ぶちキレて「こんな奴の漆器なんか金貰っても使ってやるもんか」となるだろう。それくらい温度差がある。
— 小谷ロ剛 (@kotaniguchi) May 18, 2016