ふじあざみラインについて、どのような道なのか実際に走行して調査しました。結果、報道等で聞くより恐ろしい道だと感じました。
見た目では勾配が伝わりにくいのですが、2速でこれだけ加速してしまうことの恐ろしさは、特に大型ドライバーさんには理解頂けると思います。 pic.twitter.com/UDcAfK5kuC— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
動画では霧がすごいですが、霧がなくてもこれ以上スピードは出せないような道路状況でした。
事故を起こしたバスの損傷具合を見るに、おそらく60km/h程度は出ていたと思うのですが、そうなるともはや制御不能です。— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
今回痛ましい結果となってしまいましたが、もしここでブレーキが効かなくなってしまったとしたら、立木のない山側の斜面に突っ込んだのは不幸中の幸い、あるいは英断だったと思います。
(原因が定かではない現段階で、運転手を養護するものではありません)https://t.co/gUb2Zu5XHA— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
また、これほど観光バスにとって危険な道はそうそう無いのではないかと感じました。
バスが走るような道路で、自転車乗りに「ラスボス」と言わしめるような激坂は、関東近縁ではあまり思いつきません。
会社として、特別注意を払うべき道であったのかもしれません。https://t.co/7AsTFILpCU— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
もう一つ気になったのは、ツアーの旅程です。今回は2往復しましたが、下り(五合目→道の駅すばしり)はいずれも27~30分程度かかりました。ところが旅程では五合目から沼津(!)まで、わずか40分しか確保されていなかったとのこと。乗用車でも80分程かかる距離です。
ここに問題があった可能性があります— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
事故の原因は捜査中であり、ドライバーの能力や当日の状況など私達の知るところではありません。そのためここに書いたのはあくまでひとつの意見です。我々がするべきことは、こうした出来事から教訓を得て、さらなる悲劇を防ぐことです。これからも安全運転に努めていきたいと思います。
— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
このたびの事故で被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、犠牲となられた方のご冥福をお祈りいたします。
— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
補足しておくと、周辺でも指折りの事故リスクが高い道だとは思いましたが、走行自体が危険(=走るべきではない)という訳ではありません。この動画でも、2速+排気ブレーキでしっかりと減速できています。
車両が正常であり、時間に余裕を持って低い速度で走ることができれば、問題なく走れる道です。— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 16, 2022
補足2:
リプライ等で、リターダーは?という声を頂いています。
うちのバスには搭載されていないため動画内では使用していません。
事故を起こしたバスに搭載されていたかは不明ですが、リターダーは強力ですので、排気ブレーキとリターダーを併用すれば、3速でも安全に減速できるかもしれません。— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
補足3:
事故のシナリオについて2速+排気ブレーキで、安全に減速できています。これが動いていれば、仮にフットブレーキが壊れたとしても、暴走するようなことはありません。
続く
— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
ただ、フットブレーキが壊れると減速チェンジが困難かもしれません。回転数がすぐ上がってしまうため、フットブレーキなしで3速から2速に繋ごうとしても弾かれてしまう(安全装置が働き入らない)ことが考えられます。
リターダーが搭載されていなければ、もうサイドブレーキしかなくなります。
— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
2速+排気の場合は相当に効きが強く、しっかり減速して走行できますが、10キロを下回る超低速になってしまいます。今回の検証の趣旨を踏まえて、安全な速度域の範囲で排気ブレーキを切っています。
なお、3速+排気も試しましたが、どんどん加速するためフットブレーキへの負荷が大きくNGでした。 https://t.co/musNR9YEuJ— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
おっしゃるとおりで、警告音が鳴るまで回転数を上げてしまっているのは車両にとって良くありません。
言い訳になりますが、この道路はかなり勾配の変化が激しく、排気ブレーキでは減速しすぎることもあり、回転数のコントロールが難しい部分がありました。 https://t.co/UgOWkqWsLj— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
ブレーキ故障時に突っ込むための、緊急待避所と呼ばれるものですね。
この道には設置されていません。 https://t.co/0PMNZpwsHo— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
あり得るとは思います。
ただ、エアーブレーキは、繰り返し踏んだり離したりを繰り返すとエアーが減ります。
この道の場合は常に踏みっぱなしになるので、エアーが無くなるより先にフェード現象が心配になりますね。 https://t.co/mNFfJDhE3b— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
事故鑑定人の方による考察です。
たしかにふじあざみラインは、今までブレーキ故障等の事故で話題になったことのない路線です。実際に走行してみるとこれだけ事故リスクが高いと感じるのに、何故今まで大きな事故がなかったのでしょうか。
続く。https://t.co/208U3XA2m2— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
→続き
例えば箱根の峠とかは緊急避難所などが整備されているけど、これは過去に暴走車がでたからその対策として敷設される構造物。ふじあざみラインにこの構造物がないという事は、過去に暴走した車両がいなかったという事実の裏返し。
一見危険に見えるけど、この路線は実は安全な道路。
→続く pic.twitter.com/8GHOx9WhYJ— 鑑定人イシバシ (@FAL_Ishibashi) October 17, 2022
→続き
マスコミがフェード現象を疑うのは当然だし、危険周知のために未確定なことでも注意喚起のために報じるのは仕方ない面がある。まぁ、正直に言うと警察の鑑識や交通捜査係って、私ら鑑定人も同じだけど、大型車のフェード現象由来の事故捜査や鑑定の経験とか殆どない。
→続く— 鑑定人イシバシ (@FAL_Ishibashi) October 17, 2022
→続き
フェード現象は起きているっぽいんだけど、大抵は自損事故なので被疑者死亡で送検して原因まで追及されないことが殆ど。いわば、フェード現象を経験した人ってのは殆ど死んでいてコの現象が起きると「中の人はどうなるのか判らない」ってのが正解。
→続く
— 鑑定人イシバシ (@FAL_Ishibashi) October 17, 2022
→続き
ワタシは鑑定経験2000件ほどあるけど、ベーパーロック・フェード現象に関してはそれぞれ1件経験があるだけ。どの鑑定人の経験値も同じようなもので正直、現段階では何が原因かなんて判らない。
ただ、わかってきた情報を総合するとフェード現象惹起説は疑わしい。
→続く— 鑑定人イシバシ (@FAL_Ishibashi) October 17, 2022
→続き
前のツイでも書いたけど、この道路ではフェード現象対策の安全設備が何ら整備されていないの。今ある緊急避難所とか殆どが半世紀以上前に作られたもので、現行の安全基準より相当に貧弱な車両が起こしていた事故の痕跡。
現代の自動車が起こすとは考えにくい。
→続く— 鑑定人イシバシ (@FAL_Ishibashi) October 17, 2022
→続き
最後になるけどこの事故原因は現時点で判らない。ただ、一つだけ言えることは、バスが乗り上げて横転した場所は、理性的に考えると被害を最小限に留めることが可能な場所。
往路で記憶していて、狙って突っ込んだのであれば運転手は相当に有能。#Yahooニュースhttps://t.co/Lz5BAY9s1i
— 鑑定人イシバシ (@FAL_Ishibashi) October 17, 2022
中の人の見解としては、理由は大きく2つあるかと思います。
ひとつは単純に、当該道路の交通量が少ないためです。道路交通センサス調査でも1日千台程度(片方向・推計値)とされており、箱根峠などと比べるとかなり少ないためです。さらに一年のうち多くの期間が冬季閉鎖またはマイカー規制で通れません— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
もう一つにはご指摘のあるとおり、「危ないと分かっている道だから」です。この道は袋小路であるため、下る人は必ず上っているわけで、往路で道路の危険性がよくわかります。ゆえに、多くのドライバーが適切に減速して通行できているということが考えられます。
— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
動画では、基本的に排気ブレーキを使用し、フットブレーキはほとんど使用していません。手元でカチカチとON・OFFしているものが排気ブレーキです。
なお、動画開始から事故現場まで、アクセルは全く踏んでいません。https://t.co/psTjYnmCbe— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
動画の車両には、あわせて2名が乗車していました。なお、空車重量は8トン程度です。
他の方もご指摘の通り、人を満載した大型観光バスの場合、重量は倍程度あったかもしれません。そのぶんエンジンが大きく減速装置も強力とはいえ、より厳しい状況であったと予想されます。https://t.co/G9IrTlqoz7— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
動画について、「霧が濃くて怖い」「この霧の状況でスピードを出しすぎている」という意見がありますが、動画だとかなり霧が濃く見えるものの、肉眼では映像で見るよりは、いくらか先まで見えている状況でした。
不安にさせてしまい、申し訳ありません。— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022
事故現場の間までに2箇所、画像のようにブレーキの加熱に対し注意喚起する看板が設置してあります。またこの道は袋小路であり、この坂を下る人は必ず往路で同じ場所を通っているため、急勾配であることは確実に認識できます。
注意喚起が不足していたとは感じませんでした。https://t.co/vWI7n2m3Fj pic.twitter.com/jLcNimuhFR— 函嶺自動車交通【路線バス個人所有】 (@Fuso_Aerostar) October 17, 2022