コンテナ不足が原因で、海上運賃の高騰が生じています。ではコンテナはどこに行ったんでしょうか?今日は可能な限り分かり易く説明したいと思います。長文をご容赦下さい。よく「コンテナが中国や北米に滞留しているので足りない」という意見を見ますが、それだけが理由の全てではありません。(1/9)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020
そもそもコンテナは世界に1億個以上流通しており、その殆どが中国や北米に滞留していたら、置き場不足で大変な事になります。事の真相を知るには、コンテナビジネスの仕組みを知る必要があります。実は世界にあるコンテナの約半数は船会社の所有ではなく、コンテナリースの会社が所有してます。(2/9)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020
コンテナリースの会社は数億円~数十億円のファンドを組んで投資家(富裕層や大企業)を集めてコンテナを購入し、そのコンテナを船会社にリースします。そしてその収益を投資家に分配します。7年が経過するとリース会社はそのコンテナを船会社に売却し、その収益を同じく投資家に償還します。(3/9)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020
つまりコンテナリースの会社はコンテナを運用する事で儲けているのですが、実は海上運賃の価格というのは上下動が非常に大きいという特徴があります。添付はバルチック海運指数という海上運賃の指標で、非常に大きい上下動がある事が分かります。普通株価でもこんなに上下動はしませんね。(4/9) pic.twitter.com/tMryfBqTgo
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020
この点でコンテナリースの会社は利益を最大限確保する必要があるので、海上運賃の上昇局面では貸出を渋る傾向にあります。例えば極端に言うと、10万円で貸すものが、翌月には20万円になるならば、当然翌月になるのを待ちます。投資家も利益の最大化を求めているので、そうせざるを得ません。(5/9)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020
するとリース会社は「コンテナは空いているのに船会社に貸し出すのを待つ」という事象が生じます。そして一番高い金額を提示してくれる船会社にコンテナを貸し出します。つまり現在のコンテナ不足は、実際の在庫不足に加えて、「リース会社から適正な金額で借りれない」という側面もあるのです。(6/9)
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恐らく殆どの荷主は船会社に連絡をする事はあっても、その先のコンテナビジネスの仕組みは知らないと思います。それでコンテナ不足にはこの様な背景もあるという事をご理解下さい。つまり言い換えるならば、コンテナというものを金融商品にした資本主義が生み出した結果なのです。(7/9)
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ただし、コンテナリース会社が儲け過ぎているという側面も否めません。大手コンテナリース会社の営業利益率は何と50%を超えています。普通の上場企業でも5%も出せば上出来ですが、一桁違います。これはコンテナリース会社にとっては不都合な事実なので、殆ど知られていません。(8/9)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020
この辺りが是正されない限りは、コンテナ不足という状況は世界的に続く事でしょう。今日はコンテナ不足、そして海上運賃の高騰の背景についてお伝えしました。長文のお付き合い、ありがとうございました。(9/9)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020
そうなんですよね。まぁそこが私達の業界の複雑で、でも面白い所ではあるんですが(汗)今は投機的側面も大きいですね。特にオペレーティングリースは航空機業界が壊滅的なので、コンテナに資金が相当流れて来てますね??
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) December 15, 2020