睡眠について病院の先生から聞いた話

書店に並ぶ本の中には、睡眠時間が短くても「深い睡眠をしっかり取れば大丈夫」などと書いてあるものがありますが、科学的には全くの誤りです。その理由は簡単に説明できます。

意外に感じるかもしれませんが、睡眠不足がひどくなればなるほど「深い睡眠」はむしろ、増加します。睡眠不足で削られるのは、大部分が浅い睡眠とレム睡眠です。深い睡眠が良い睡眠のバロメーターであるとすれば、睡眠不足の人はこれ以上ないほど「質の良い睡眠」を取っていることになります。でも、言うまでもなく体調は悪いし、病気のリスクも高まります。深い睡眠から浅い睡眠までがパッケージになっていて、はじめて良い睡眠と言えるのです。

翌日のハイパフォーマンスのために
短時間睡眠でバリバリ活動する姿に憧れるビジネスマン方は、ちょっとガックリしたと思いますが、翌日にハイパフォーマンスを発揮するための準備をしていると思えば、たっぷり睡眠をとることは決して無駄ではないと感じられるでしょう。実際、睡眠時間を十分に確保した方が、しっかりと物事を記憶できることも証明されています。

車やオーディオ、スマホやパソコン、ゲーム機など、自分が大事にしている物はエンジンや電源を付けっぱなしにしませんよね。人間も同じです。勉強や仕事、趣味や人付き合いも大事な生活の営みですが、睡眠も同じように必要不可欠な時間です。オーバーヒートしないよう、今夜もゆっくりお休みください。