【幻のハード】「Nintendo PlayStation」がオークション出品へ




任天堂とソニーはそれぞれ異なるゲーム機を開発する、コンシューマーゲーム業界でしのぎを削るライバルですが、1991年には両社が共同で1つのゲーム機を開発していたことがあります。そんな任天堂とソニーのコラボにより誕生した幻のゲーム機が「Nintendo PlayStation」で、マニア垂涎の超激レアなゲーム機が2020年2月にオークションに出品されることとなるそうです。

任天堂とソニーが共同開発したゲーム機「Nintendo PlayStation」は、1991年にシカゴで開催された家電見本市・CESの中で、その試作機と名称が発表されました。しかし、詳細な理由は不明ながら、任天堂側がソニーとの契約を破棄したことで、Nintendo PlayStationが世に出ることはありませんでした。ただし、ソニーは任天堂による契約破棄を契機に試作機段階までこぎ着けていたNintendo PlayStationを改良し、「PlayStation」として家庭用ゲーム機市場に参入。その後の大成功っぷりは言うまでもありません。

Nintendo PlayStationを出品するのは、テリー・ディーボルト氏。2009年、同氏は元ソニーの幹部が破棄するためにオークションに出品していたNintendo PlayStationを、その希少さを知らないまま購入したそうです。それから6年が経過した2015年になって、ディーボルト氏の息子が家の屋根裏部屋でほこりをかぶっていたNintendo PlayStationを発見。息子がインターネット上にNintendo PlayStationの写真を公開したことで、Nintendo PlayStationの存在は世に広く知られるところとなります。それ以降、ディーボルト氏はNintendo PlayStationを持って多くのレトロゲーム関連イベントを巡り、Nintendo PlayStationの評判を高めてきたとのこと。

ディーボルト氏は海外ゲームメディアのKotakuに対して、「私はお金を失い続けることはできません。Nintendo PlayStationと一緒にさまざまな土地を旅行することで、多くの仕事をこなしてきましたが、その間私は何もできませんでした。旅行の費用はすべて自分たちで支払っています」とコメント。つまり、Nintendo PlayStationをさまざまなゲームイベントで披露することでかさんだ出費を回収することが、オークションに出品する目的であるとのことです。

ディーボルト氏は「ノルウェーのある人物からの120万ドル(約1億3000万円)のオファーを断った」と語っており、このオファーよりも高値が付くことを期待している模様。なお、落札価格はディーボルト氏と息子で折半し、未払いの負債を清算すれば「ほとんど何も残らないだろう」とディーボルト氏は語っています。