明石市長の暴言の件。「7年も放置した職員の怠慢を叱った市長は正しい」という意見が多いようだが、公共事業の経験のある僕から見ると職員が言っていることも間違っていないように思うので、連ツイしてみる。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
市長が起こっているのは、以下の点についてだろう。
・ある用地の買収が遅れている(どの程度遅れているかはわからない)
・過去7年間、地権者に買収価格を伝えていなかった
・一番面倒そうな地権者への交渉を後回しにしていた— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
これに対して職員の説明はこう。
・買収価格は概算を提示していた
・当該用地の買収予算は前年度までついておらず、今年初めてついた
・全事業費の予算を1年で確保しているわけではない— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
で、この時点で僕から見ると、職員の説明の方に「そりゃそうだなあ」と思ってしまうのだが、公務員経験がないと何がどうそりゃそうなのかわからないと思うので、説明する。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
職員の説明は、こういうことだ。たとえばある道路の用地費用が総額10億円だったとする。役所は単年度予算なので、毎年2億円ずつ計上すれば5年で買収を終えられる計算になる。1億円なら10年かかる。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
用地買収は、ほいっと行ってすぐにできることではない。まず用地を測量し、正確な面積を測る。また用地買収時には建物の補償もするので、土地家屋調査士に依頼して査定額を計算する。これらの調査は当然、地権者の同意を必要とする。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
2億円ずつ5年の予算が組まれていたら、まず協力的な地権者から順にこういった調査を行い、用地買収の手続きを進めていく。「ややこしいの後回しにして、楽な商売しやがって」と言われても、協力的な地主を後回しにするわけにはいかない。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
年に2億円ずつしか用地買収できないとすれば、3億円4億円分の用地の交渉をするわけにもいかない。4億円分の地権者が「その金額で良いですよ」と言ってくれたのに2億円ぶんだけ買収して、翌年度再査定したら安くなっていたら、地権者は「なんでうちを先に買ってくれなかったのか」と怒るだろう。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
もちろん地価は上がる可能性もあるから、逆もあり得る。いずれにせよそういうトラブルもあり得るから、一般にはエリアを区切って1年目はこの範囲、2年目はこの範囲、と用地交渉を進める。後の方のエリアに面倒な地権者がいるとわかっていても、先に進めるのは難しいだろう。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
短期間で買収を終えたいなら、5年の買収期間があっても最初の方で一気に用地買収を進め、後半は残る地権者と粘り強く交渉する。当然、こういうことをするには予算も人員も集中投入する必要がある。体力のない小さな自治体には難しい。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
ここまでの話は、明石市職員の話と符合する。年度予算は用地買収を大きく進めるには足りず、人員は1人しかいなかった。弾も兵隊もないのに「どうして陣地を占領できていないのか」と言われても困りますよ司令官閣下、と言っている。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
じゃあどうするべきだったのか、ということになるが、「ない袖は振れないから工期を延長する」のか、「もっと集中的に予算と人員を投入する」のかいずれかの方向性しかない。で、予算と人員を確保するのは基本的に、市長の仕事だ。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
もちろん、そういうことをしなければ工期を守れない、と市長に進言するのも職員の仕事だ。だから今回の事態を招いた責任が誰にあるのか、特定するのは難しい。ただ、これはよくある話だ。つまり「上司と部下の意思疎通が不充分」というやつ。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
なので、結局のところ「仕事がうまくいかないからと言って、上司が部下にパワハラをするのは許されない」というごく当たり前の話にしか落ち着きようがない。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
蛇足だが、ここまでのような一般論を前提として、ポジティブな気持ちで明石市の件を詳しく紐解いてみた結果、「なんだよやっぱり担当職員がクソ怠慢じゃねえかよ」という結論になる可能性も否定はしません。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
ただ、物事はまず「常識的な人間が善意に基づいてやったのにうまくいかなかった」という可能性を第一に考え、それでは説明できない場合に初めて「誰かがサボタージュや悪意によって問題を起こした」という選択肢を持ち出すべきだということです。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2019年1月30日
役所で働いた経験のある元公務員の方も業務内容は理解できてもやはり職務怠慢が濃厚な様子。
元公務員ですが、職員の怠慢としか思えないです。
予算なんて、ほんとに必要なら補正でもなんでも出来るわけで、予算ガー、なんて仕事しない言い訳でしかないなと。
暴言は勿論ダメですが。— やま (@WCr4L8S2D6DK7Xu) 2019年1月30日
公務員してました。
職員さんが正しく発言でき、相談出来る雰囲気を作るのも市長の仕事だと思います。
結構外っ面はいいけど、内部では評判悪い人ってやっぱりいるので、いつかこうやって問題になります。どこでもそうでしょうけど。
これを機会に市長には考えて欲しいですね。
— おさP@SUPブロガー (@heysup_osap) 2019年1月30日
スッキリでの明石市長暴言の件。
・録音したのは当該職員ではない
・暴言は最初の5分くらいでその後20分程度話し合って和解している
・暴言があったのは一年以上前
・4月に市長選を控えているとなるとだいぶ話違ってきますね。音源の出処はどなたでしょうね?
— Pochi (@ichi93_rs) 2019年1月29日
今まで首長のスキャンダルは私利私欲が原因ですが彼は違います。他の市長候補に今の改革ができるとは思えません。ましてやこのタイミングで当事者が和解している事をマスコミに流す側の者を市長にするわけには行かない。現市長は保身を計らずに全て認めて謝罪しました。
今後も改革を進めてほしいです— オジノフ53号@バレイベ裏表! (@5211379015) 2019年1月30日