元旦によせて

小林正観『「ありがとう」のすごい秘密』中径出版より

「祈り」は「意(い)」に「宣(のり)」と書きます。

「意」とは「神の意」のことです。

「宣」は「祝詞(のりと)」の「のり」です。

神の意をことほぐこと。

神の意に添います、あなたの仰せに従いますということを「祈り」 といいます。

「願い」というのは、「ねぎらい」が語源なので、 自分がいろいろしてもらったことに対してお礼を言うことが本来の 「願い」です。

「祈り」も「願い」も、本来、 神仏に対して言うべき言葉は全部お礼の言葉でした。

ほとんどの人は神社仏閣に行くと、神様に向かって「〇〇 してください」とお祈り(お願い)をしていますが、ただ「 ありがとう」とお礼を言うお参りもあります。

神社と神宮の違いは、「神社」は人を神として祀った所で「神宮」 は天皇家の血筋の人間を神として祀った所です。

ですから、明治天皇を祀っている所を明治神宮といい、 乃木大将を祀ったところは乃木神社というわけです。

伊勢神宮は、もとは「伊勢の神宮」と呼んだのですが、 日本中で神宮といえばここだけでした。

その後あちこちに神宮ができたため、伊勢の国にある神宮を「 伊勢の神宮」と呼んだのが、いつの間にか伊勢神宮になりました。

本来の正式名称は「神宮」です。

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元日は、神社では「歳旦祭(さいたんさい)」というお祭りの日。

午前5時半から天皇陛下は四方拝を行われる。

四方拝とは、この新たな一年、日本に起こるすべての災いが、 すべて私の体を通して過ぎ去ってくださいと祈るもの。

つまり、 陛下がすべての困難や災いをお引き受けになるということ。

陛下の祈りは究極の祈り。

陛下の域には到底及ぶべくもないが…

日本に生まれたことに心から感謝し、陛下と皇室の弥栄( いやさか)をご祈念申し上げたい。