本当の野菜の見分け方について書いていきます。
ただし、これも100%の確率で見極められるということではありません。
少なくとも、これから書くような野菜は、本物の野菜である可能性が高くなるということです。
これは、僕が畑で野菜を収穫しながら発見した見極め方でもあります。
大根
大根というのは根菜ですから、根っこを食べるものです。
大根を薄くスライスしてみることです。
大根は中心から外側に向けて放射線状に繊維が走っています。
それと同時に、中心から渦を巻くように外側へと広がっていきます。
その放射線状の繊維や渦を見ると、その大根の成長スピードがわかります。
このスピードが早すぎると、大根は水っぽい、味の薄い大根になります。
人参
人参も大根と同じく根菜です。
人参そのものは主根になります。
そして人参にも同じように側根が生えています。
人参は維管束が4つあるので、4列側根が出ています。
実は人参もわずかに土のなかでねじれて育ちます。
そのため、大根と同じように、側根が真っ直ぐではなく、下に行くに連れて、少し横にずれています。
この側根のずれ方を見れば、同じく無肥料かそうではないかということが推測できます。
一般的には、追肥という行為をするため、この側根は途中でクイッと曲がる傾向にありますので、本当の野菜を見つけるためには、その側根の生え方を注意深く見ることがポイントです。
また、人参を無肥料で育てると、実は小さな花を咲かせる程度には十分なほどの小さめの人参が出来上がります。
つまり大きすぎる人参は不自然なのです。
そして、大根と同じように輪切りにしてみるのも判断材料となります。
人参も主根ですから、主根の中心から茎を出して花を付けます。
つまり人参の中心というのは、生命力が溢れているものです。
その生命力が、輪切りにした時にはっきりと表れます。
人参の芯の部分がくっきりとし、外側の形に綺麗に沿っています。
つまり美しい同心円でなければならないということです。
この中心の芯の部分がボケたり、同心円にならなかったりするのは、やはり成長スピードを急がせたり、何かしら人参にとっての障害を与えたということになります。
トマト
トマトというのは、赤くなりはじめてから完熟までの時間が早い野菜です。
そのため、通常の野菜の場合は、トマトの下の部分が赤くなりはじめたら収穫してしまいます。
つまり実が茎に付いている時点では完熟しておらず、未完熟で出荷されます。
流通を経由している間にそのトマトはだんだん赤くなり、小売店に並んだ時に赤く熟すことになります。
植物は、種が出来上がると、赤く熟します。それまでは熟しません。
なぜなら、種が出来上がっていないうちから、動物に食べられてほしくないからです。
赤く熟すということは、光合成等で作り出した糖分を実に集めるということです。
茎から切り離された実には、糖が運ばれることはありません。
なので、流通過程で赤くなったトマトはあまり甘味を持っていないのです。
収穫される前に熟したかどうかというのは、トマトの箒を見るとわかります。
収穫されないで熟した場合、箒は上の方へ、天に向かってギュッと反り返ります。
この箒の形を見るだけでも、そのトマトの味というのがわかってしまうのです。
また、種が非常に少なければ、化学薬剤が使われている可能性が高く、特に、季節はずれのハウス栽培のトマトでは、それが顕著に表れることになります。
小松菜
小松菜のような葉野菜の場合の見分け方は、案外簡単です。
葉脈の形です。
葉脈も左右対称に綺麗に伸びるものです。
それは羽状脈であっても、網状脈であっても、掌状脈であっても同じです。
中心から左右に綺麗に伸びていかなくてはなりません。
これも、不自然な成長の仕方をすると、どんどん狂ってきます。
特に農薬をかけすぎた葉野菜はこの葉脈が狂ってくるのです。
芋類
芋類の野菜が本当の野菜か見極めるのはとても難しいです。
ですが、芋類は土のなかで成長しますから、ひとつの目安として、肌に虫が這った跡があるかどうかということを確認します。
多少の汚れや虫の這った跡は無農薬の証拠ですので、艶々で綺麗すぎる芋よりも、よほど安心して食べることができます。
玉ねぎ
無肥料で育てた玉ねぎは、根を必死に伸ばし、そして芽を必死に伸ばそうとします。
そのため、玉ねぎの形が細長くなっていきます。
これが無肥料の玉ねぎの力であり、形であり、見極め方でもあります。