最近このような赤ちゃん用衣類の広告などを見ますが、整形外科的にはアウトすぎる
脚の動きを制限する衣類は、股関節が外れて育つ「発育性股関節形成不全」のリスクです
この病気のせいで小さな頃から何度も手術が必要になる子供がいます
子供の将来に関わるので頼むから使わないで pic.twitter.com/IhZDurJQWf
— おると????整形外科医 (@Ortho_FL) November 6, 2022
かつては出生数の2%前後の発生率があったのですが、医療や育児業界などの地道な啓発などもあり、近年はその約1/10 に減少しています
頼むから先人たちの失敗を繰り返さないでくれー!!!! pic.twitter.com/ZRwv446ggB
— おると????整形外科医 (@Ortho_FL) November 6, 2022
コレの成れの果てがワイや…。
今までに両側関節鏡、両側骨切り、抜釘もどきと滑膜切除を経て右は人工股関節になった。
今後は左人工股関節と両側入れ替えがあるので少なくともあと3回手術する予定。
オペはもう別にいいけどしゃがめない、足の爪切れない、紐靴結構苦労するって結構不便…?? https://t.co/e8OgcEIgoR
— ぴょんそん (@orthopedic_pyon) November 6, 2022
リプ、引用含めて独自の解釈をしているツイートが多いですが、脚の動きを妨げる巻き方はあぐらだろうがなんだろうがよくありませんし、中で脚が動くように緩く縦に布を巻くのも同じです
赤ちゃんの脚は、両膝と股関節が十分曲がったM字型に開いてよく動かしているのが好ましく自然な状態です
— おると????整形外科医 (@Ortho_FL) November 6, 2022
中世ヨーロッパにもあります。
ぐるぐる巻きにして、真っ直ぐにすることで正しい骨格になると信じられ、多くの乳幼児が亡くなりました pic.twitter.com/zSViNeDX4P— 冷泉ちゃん/Reizei (@Jane05852731) November 6, 2022
欧米のスワドルが日本に伝わった製品なのですね。股関節の件もですが、生後約8週間までと使用期間がしっかり守られてないと窒息事故や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクをあげることが、日本ではあまり知られていないように感じました。念のため。 pic.twitter.com/ruNRB33sYU
— aloha99 – (@alohamode) November 6, 2022
あとこれなんかのはずみでうつ伏せになったらそのまま詰みますね。
— ラーメン大好きしろくまさん (@Kumappus) November 6, 2022
可愛いからじゃなくて、こうやって包んであげるとよく寝る赤ちゃんが多いので使ってる人が多かったり商品化されているんだと思います。
— 働く引きこもり@dd10m←37w6d (@happy_hikki_) November 6, 2022
???「お、これええやん!商品化や!!!」
— おると????整形外科医 (@Ortho_FL) November 6, 2022
写真撮るだけならいいですけど、常に使うのはもちろんアウトです
— おると????整形外科医 (@Ortho_FL) November 6, 2022
私もです。
5年前(48)手術しました。
術後は筋肉が赤ちゃん時の状態になってしまうので起き上がることさえできず、そこから杖なしで歩けるようになるまで1年半。20年程で再手術の可能性。
本人は辛いです。
私が手術する直前に母が手術し、こんなに痛かったんだねと謝られました。ちょっとスッキリ??— つるねえ (@jRmPRrGMEGZOxIG) November 6, 2022
そういうことです
— おると????整形外科医 (@Ortho_FL) November 6, 2022
医学的なおくるみに関する歴史はほむほむ先生がまとめてくださっています
昔は推奨されていたものが繰り返し検証された結果、時代とともに変わっていくということはしばしばあります
まさに知識のアップデートが必要な一例です https://t.co/4N63YvDXzY
— おると????整形外科医 (@Ortho_FL) November 6, 2022
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おくるみは古くから行われている赤ちゃんのケア方法のひとつですが、2005年から2007年に、おくるみは赤ちゃんの『睡眠』『夜泣き』などに有効かもしれないという報告がなされました。
?Pediatrics, 2005; 115: 1307-1311.
? Journal of pediatri 2006; 149: 512-517. e512.
→— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022
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一部、乳幼児突然死症候群(SIDS)にも有効かもしれないという考え方もあったようです(現在は否定的)。
?J Pediatr, 2009; 155: 475-481.
→— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022
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その頃はとくに、早産のお子さんに対するサポートとしての役割もあると考えられていて、すくなからず医療機関でも実施されていたという歴史があります。
→— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022
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ですので、もしかすると『昔、病院でおくるみをされていたのは間違った方法なのか』と考え、ご心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、おくるみの効果も考えていた面もあると思います。
→— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022
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一方でその頃から、先天性股関節脱臼(現在は、“先天性”よりも“後天的な要素”が強いことがわかり発育性股関節形成不全と名称変更)の発症に関連することも同時に報告が増えました。
?Pediatrics, 2007; 120: e1097-1106.
→— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022
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最近、おくるみによって発育性股関節形成不全のリスクがたかまることがランダム化比較試験で報告されました。
? BMC Pediatr, 2021; 21: 450.
→— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022
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ここまでまとめると、おくるみは睡眠や過剰な啼泣を改善させる可能性はあるものの、発育性股関節形成不全のほうが重要視されるようになっていると言えます。
→— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022
→そして、おくるみを短時間使うことを強く否定するものでもないでしょう。
そのような体勢をとったあとは、『コアラ抱っこ』を積極的にすることもだいじなのかなと考えています。以上です。
(リンクは日本小児整形外科学会のパンフ)https://t.co/HWEbRzFXrq— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) November 6, 2022