ロシアはなぜ負けるのか?:開戦4日目の予言
2月28日のことを覚えてますか?長々と続く車列。市街への砲撃。今夜こそ山場。そんな時「ロシアが負ける」という論陣を張ったツワモノがいました。そう、Kamil Galeev氏です。答え合わせも兼ねて、要約なしでお楽しみください。https://t.co/v06s6JnUfc— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシアはなぜ負けるのか?
多くの「現実主義者」はプーチンの勝利を予想する。なぜなら「保証付」だからだ。 そんな保証どこにある?
私は、アナリストが
1)ロシア軍を過大評価
2)ウクライナ軍を過小評価
3)ロシアの戦略と政治的目標を誤解
していると主張する。https://t.co/v06s6JnUfc— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシア軍についてビスマルク分析によるタイムリーな論文をみてみよう。いい論文だ。参考になる。陸軍と砲兵隊中心であることは正しい。また、セルジュコフ国防相が2007年から2012年にかけて陸軍の効率を大幅に向上させたことも正しい。しかし、まだミスリードがある。https://t.co/DIDKm0Rso9— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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確かにセルジュコフ大臣は軍を改革した。彼はその効率を高め、腐敗したコネ採用の軍需メーカーと戦い、軍の供給を改善した。その結果、彼は非常に不人気となり、強力な敵を大量に作った。やがて2012年に追放され、権力と地位を失った。https://t.co/tumCUHFx8h— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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後継者のショイグは、そのことをよく理解していた。さて、ショイグとは何者か?ショイグは、1991年のロシア連邦誕生以来、途切れることなく政府で働いた、「唯一の」ロシアの大臣だ。彼は全ての大統領、全ての首相の下で働き、全ての粛清を回避した。https://t.co/7Mdc0YWDaQ— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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これが何を意味するか?彼は狡猾な政治起業家で、宮廷政治、宣伝、イメージに長けているということだ。政治的生存を最優先することで すべての政権を生き延びるのだ。そのためには敵対心を最小にする必要がある。だから強力な利益団体には 決して反対しないhttps://t.co/AY72Xeep32— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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セルジュコフは利権団体と戦って潰された。ショイグはもっと賢かった。彼は、セルジュコフの遺産から自分を「救世主」として紹介するPRキャンペーンを展開した。前任者がやったことは、すべて解体された。メディアは喝采し、人々は喝采し、利益団体は喝采した。https://t.co/Bygzoxu16z— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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それは、とても典型的な問題だ。効率の最大化には冷酷さが必要だ。既存の支配層や利益団体に対して。一方、宮廷政治を最大化するには、彼らに配慮し、敵を作らないことが必要だ。セルジュコフは効率を、ショイグは宮廷政治を重視した。https://t.co/AtGK9kozMv— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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もう一つ問題があった。ショイグはトゥバ民族だ。ロシアのような国では、少数民族が最高指導者になることはめったにない。国民は彼をロシア民族とは思っていない(彼の宮殿を参照)。ということは、彼は指導者にとって危険ではないし、安心して軍を任せることができる。https://t.co/PvV2NJSkDY— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ショイグはセルジュコフの任命者を粛清しただけではない。旧軍の体制を熟考した。装備のコストや品質について軍需産業との議論をやめた。また、ロシアの大戦略にまつわる数々の虚飾の考えにふけった。陸軍と海軍の問題を考えてみよう。https://t.co/GKLQ8ckGxE— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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陸軍と海軍は、何世紀にもわたってヨーロッパ列強における、伝統的なジレンマだった。一流の陸軍か一流の海軍か。どちらかを選ばなければならない。17-18世紀のフランスのように、これを無視して破滅した国もあった。プロイセンのように、より合理的な国もあった。https://t.co/kxgnAztKhl— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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うろ覚えだが、17世紀、ベルリンを中心とするブランデンブルク公国は「世界の海洋国家」として活躍しようとした。海軍を作り、カリブ海とアフリカ(地図中:赤)に植民地を作った。超高額。超傲慢。超愚か。大量の資源を無駄に消費した。https://t.co/7otid8sXXf— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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18世紀。彼らは考え直した。植民地を売却し、海軍を解体し、陸戦を始めたのだ。傲慢さを抑え、海軍を最小化すれば(ゼロにすれば)、一流の陸軍を作れると正しく認識したのだ。そうすれば、ドイツを統一できる。https://t.co/P5dtCHuGRA— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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だから陸戦には、海軍の野心を最小化する必要がある。ロシアは海軍の野心を最小にしているだろうか?いいえ。ソ連海軍の遺産をできるだけ多く維持する義務があると感じている。古い船を浮かせ、新しい船を建造し、海洋海軍のためのインフラを維持・拡大する。https://t.co/Drm8L64nJX— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ここにもジレンマがある。地域的艦隊は陸上戦でも有効活用できる。例えば、ロシアは「海軍の作戦行動」を宣言し、海からウクライナに攻め込んだ。これは安上がりで効果的だ。だが、地域的艦隊を維持することは、セクシーとは言えない。PRのためでなく、効率のためには。https://t.co/7E5SRAYdzY— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシアはPRの方に余念がない。プーチンは2027年までに新造船の割合を7割にすると宣言した。旧ソ連の船が時代遅れになるから新造船を作ろう。しかし、ソ連の主な造船所はウクライナにある。そこで、この目標を達成するためロシアは造船所のインフラを拡張するhttps://t.co/7ufpMrdU5S— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ソ連海軍の遺産はロシア軍の呪いだ。ソ連は空母打撃群と海洋艦隊を保有する余裕があった。ロシアにはない。ソ連の野望を捨てるには、己の傲慢さを抑える必要がある(不可能だ)。だからそれを維持しようとする。ゆえに:ロシアは陸戦できない。するつもりもない。https://t.co/0w18UBDLQE— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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今回の戦争にどう反映?まずロシアの侵攻軍は小規模だ。もちろん大砲は山ほどある。しかし勝つには不十分。親ロシア派のアナリストは、この侵攻をバルバロッサと対比する。しかし1941年のドイツ国防軍とは異なり、ロシアの侵略者はたった1つの超巨大部隊しかない。https://t.co/MZp1rC96Ft— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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電撃戦はどのように組織されるのか?部隊別だ。 第1部隊は全速力で前進だ。もちろん、これによって多くの防衛部隊が後方に残存する。しかし、その後、第二次隊、第三次隊と続く。彼らは防衛部隊にとどめを刺し、領土を占領し、供給ラインを確保する。https://t.co/UwBY4G1ckB— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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もしロシアがバルバロッサ式の電撃戦を正しく仕掛けたら、今頃は第1、第2、第3の部隊の戦いが始まっていたはず。しかし第2段は来なかった。存在しなかったのだ。なぜか?第一に、ロシアは本気で陸上戦をしないので、そのための資源とインフラをそれほど持っていない。https://t.co/vnq8kLSV5H— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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第二に、いくつかの部隊を出動させるには、長く根気のいる準備が必要だ。動員し、国境まで移動し、分屯し、維持し、補給する必要がある。簡単なことではない。電撃戦は、事前に十分な準備を行うべき大変な仕事だ。そして、それはなされていなかった。https://t.co/ZPq0Pikc2G— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシアが正しい電撃戦を準備しなかった第三の理由。電撃戦は「戦争」のための戦略である。電撃戦とは、立ち向かってくる敵を打ち破り、制圧する方法だ。そもそもロシアは「戦争」を計画していなかった。だから電撃戦の計画もなかった。計画したのは「特殊作戦」だ。https://t.co/5TtCesCwDP— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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単なる現代的言葉遊びだ。第二次世界大戦後 、伝統的な支配権の解釈は死んだ。もはや支配者の法的権利をもって攻撃的戦争を仕掛けることはできない。だから近代国家は自らが戦争をしていることを決して認めない。あくまで「和平工作」「テロ対策」等を行っているのだ。https://t.co/OkE37R7VDE— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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1940年代後半に世界中の陸軍省が「防衛省」に改称された経緯を考えてみよう。誰もが防衛し、誰も攻撃しない。では、なぜ戦闘が起こるのか。犯罪者がいるからだ – "山賊"、"テロリスト"、"ジハード"。あるいは現在のウクライナにいる "ナチス"とか。https://t.co/OMTteJShvD— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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現代社会は「敵と犯罪者の区別」を廃止した。ローマ法では要のアイデアだ。権力者は戦争を行うために、敵を犯罪者扱いし、非人間的にする必要がある。だから「テロリスト」という建前が生まれた。ある意味、プーチンは流行にのっているのだ。https://t.co/XgtF1SfLSC— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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しかし、より深いレベルでは、プーチンは全く正しい。彼のウクライナでの「特別作戦」宣言は実に誠実だ。彼は戦争するつもりではなかった。彼は戦争のやり方を知らない。彼はずっと、特殊作戦を組織し、立ち上げてきたのだ。https://t.co/xccs8AM9XZ— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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まず、KGBの将校として。その後、サンクトペテルブルク市の外務審議官(=ソ連の倉庫のものを西側へ横流しする)。1990年代には、犯罪組織と密接に仕事をし、それを成功させた。犯罪組織統括者ハッサン爺さんと一緒の写真がこれだ。https://t.co/8OQVMq4Sbv— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンの仲間であるハッサン爺さんが側近たちと祝杯をあげている。この写真からプーチンのビジネスパートナーやアソシエイトをある程度知ることができる。https://t.co/ifoylMYvE5— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンは殺人慣れした暴力的な起業家と仕事をしていた。彼は常に優位な側に立っていた。連邦政府や地方政府の方が、替えの効く犯罪者のボスたちよりも圧倒的に強かったからだ。ボスたちは誰もが、自分の座をつけ狙う何十人もの子分を抱えていた。https://t.co/CvG37PXLHw— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンは特殊作戦を行っていた。犯罪者たちよりもずっと強い立場にあったときに。彼はそれに慣れた。その後エリツィンが彼を後継者に選んだ。プーチンはこの立場を利用し、権力を強化するために多くの特殊作戦を開始した。上層部の全面的な支持のもとで。https://t.co/TL6UsWGob7— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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そう、プーチンは大統領になる前からワルを演じていたのだ。悪役を演じるのは簡単だった。 当時の大統領とクレムリンの全組織が彼をバックアップしていたのだ。巨大な権力。リスクも説明責任もない。https://t.co/fKA3dqrtky— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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その後、彼は自分の人気とタフなイメージを高めるため、その都度紛争を起こした。チェチェン、グルジア、シリア。しかし、いずれも戦争ではなかった。すべての紛争は、特殊作戦として行われた。
1)政治的な目的のため
2)ロシアに勝てる見込みのない小勢力に対してhttps://t.co/LRR3pj4fYP— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンは小国としか戦わなかった。チェチェンは100万人、ジョージアは400万人、シリアはもっといた。しかし、戦ったのは適切な訓練も武装もされていない反乱軍だ。また、「テロ対策」の建前によって、ロシア人が都市全体を平地にしても、何のお咎めもなく許された。https://t.co/ajwoln0WE7— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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自分が最上位にあることを確認する必要があればいつでも、プーチンは特殊作戦でどこかの小国を荒廃させる。適切な準備など必要ない。ロシアやプーチンの存亡にかかわるような危険はないからだ。クソみたいなもんだ。リスクがない=悩む必要もない。https://t.co/jjaUEKyE5U— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンは、この小細工をまた繰り返すことにした。ゆえに、侵攻軍はそれほど多くない。前進するのは1つの部隊だけだ。しかし、ウクライナはもっと大きい。人口は4400万人だ。プーチンは何を考えていたのか?どうやらウクライナ軍の抵抗はゼロだと思っていたようだ。https://t.co/jM0qnRQm0M— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンがそう考えるには十分な理由があった。2014年のデバルツェボとイロヴァイスクでのこと。実際、ロシアの正規兵はウクライナ軍を簡単に壊滅させた。彼はウクライナ軍が弱いことを見抜いた。ロシア正規軍を送るだけで簡単にルートを確保することができるのだ。https://t.co/r6OCM3uywv— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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戦略的にはプーチンは大失敗した。彼はウクライナを破り、痛みと屈辱を与えた。IQが20ほどあれば、戦争は終わっておらず、ロシアが再び攻撃してくることは自明だ。しかし当時、プーチンはウクライナにとどめを刺さなかった。いつでもチャンスがあると考えたのだ。https://t.co/JseBsem1Bu— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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この後の展開は予想通りだ。痛みはあるが致命的ではない敗北を敵に与えることは危険だ。ウクライナはちょっと弱くなった。しかし、その内部のパワーバランスは変化した。法廷政治を最大化する利権集団が敗れ、効率性を最大化する新興勢力にチャンスが与えられた。https://t.co/aXmvPFzlIn— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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制度進化の方程式=脅す+とどめを刺さない
ナポレオンはプロイセン軍をイエナ・アウエルシュタットで打ちのめしたがとどめを刺さなかった→プロイセンは進化した。
ペリー提督は1853年に日本人を脅したが、米国は南北戦争に突入し、日本人を放置した→日本は進化した。https://t.co/1XAmRCZb9T— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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実存的な脅威ほど、強い動機付けを与えるものはない。まず、ウクライナ人が真実を認めた。「率直に言おう。今日、われわれには軍隊がない。今、我々が集めることができる有能な兵士は、たかだか5000人だ」- 2014年、国防大臣の報告https://t.co/sTNVcoxKyL— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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2014年のウクライナの装備はひどかった。ほぼ100%の車両と弾薬が25年以上前のソビエトのストックだった。しかもそのほとんどが期限切れ。 書類上に車両はあるが、1991年以来一度も未チェック、未使用だ。ラジエーターやアキュムレーターもすべて錆びて修理は不可能。https://t.co/5YUJqCSYea— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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2014年に親ロシア派の反乱を指揮したFSBの大佐は、自分もお手上げだったと振り返る。彼はウクライナ軍の倉庫から補充品をくすねたが、使い物にならなかったのだ。ニコラエフカの戦いで、28発の対戦車砲を打ち尽くしたように。まったくもって無用の長物だった。https://t.co/kUGYEJgVK0— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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反乱軍兵士へのインタビュー:ウクライナの倉庫から持ち出されたロケット弾、砲弾、手榴弾は99%機能不全だった。(もちろん、25年以上前のものだ)。 2014年にウクライナがロシアに負けたのは、驚くべきことではない。そもそも戦えたことの方が驚きだ。https://t.co/dMfS4xtz3P— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ソ連の古い無線機も役に立たない。ウクライナの兵士はSMSで通信しなければならなかった。しかも彼らは携帯電話を空中に放り投げなければならなかった。地上数メートル上空で電波をキャッチするよう念じながら。https://t.co/Si8I2joFtw— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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当時のウクライナ軍はこんな感じだった。デバルツェボやイロヴァイスクでロシア正規軍に即座に粉砕されたのも無理はない。プーチンには「正規軍を一斉発進させた瞬間に抵抗が打ち破れる」と考えるだけの理由があったのだ。https://t.co/jxUr2H7kuY— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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実に多くのことが変わった。まずウクライナでは6回の徴兵制が行われた。男たちは徴兵されドンバスに送られた。そのほとんどが復員して市民生活に戻った。ドンバス部隊は約6万人。常に要員交代していた。現在、ウクライナには40万人以上のドンバス帰還兵がいるわけだ。https://t.co/LJW5BgK4ii— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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その多くは戦闘に参加した。つまりウクライナには戦闘経験のある退役軍人が大量にいるのだ。おそらくロシアよりも多い。確かにロシアはシリアで戦っていた。ロシアは兵力規模を公表していないが、2?3千人程度だろう。ほとんどのロシア兵は戦争を経験していないのだ。https://t.co/zjN8luMAej— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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しかも、彼らが見てきた戦闘は違う。ロシア兵は、完全に優位に立ったときだけ戦うことに慣れている。シリアでは、爆撃機で都市を平地にしただけだ。一方、ウクライナ兵は、自分よりはるかに強く、装備の整った敵だけを相手に戦ってきた。https://t.co/cED3cqzszB— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ウクライナ侵攻はウクライナ軍の装備の半分を再供給することになった。ウクライナ軍は独自に多くの革新的な兵器を開発した。だが、量産化されたものはほとんどない。兵士はウクライナ製の新兵器の試作品を数個持っているに過ぎない。https://t.co/Fu9IXgCV40— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ウクライナはトルコのBayraktars TB2ドローンを48機発注した。悪くない – アゼルバイジャンがカラバフで持っていたものの2倍以上。だがそのうち12機しか届いていない。新たに強力なドローンBayraktar Akinciもトルコと共同開発中だが、この戦争には遅すぎた。https://t.co/87wY2S48oN— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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しかし、ウクライナはうなるほど(数は未発表)武器を手に入れた。アメリカ製ジャベリンとM141 BDM。イギリス・スウェーデン製のMBT LAW。これらは「Stugna-P」、RK-3「Corsar」、「Barrier」などのウクライナ製対戦車兵器とともに、ロシア戦車との戦いに役立っている。https://t.co/gmQRVZodTi— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ウクライナ軍には新しい戦車はあまり入ってきていなかった。プーチンの攻撃までは。しかし、彼らは新しい装甲車を手に入れた。国産のコサック2。トルコ製のアゼルサン戦闘モジュール。アメリカ製の装甲車、ハンビーなど。https://t.co/oSiKODzMh4— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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最後に、ウクライナは新しいタイプの軍隊を創設した – 国土防衛軍だ。その数は6万人と推定されている。これはポーランドの部隊様式を真似たものだ。この部隊は、軍事訓練を受けた民間人だ。自分の町や地域だけで戦うため、一日で動員できる。https://t.co/xzglHZYqbn— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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なぜか?それは一目瞭然だ。ロシアが数段階に及ぶ正しい電撃攻撃をしていれば、ウクライナは負けただろう。しかし、ロシアはそうしなかった。そしてウクライナ人は、そうならないことに賭けた。なぜなら。第一に、陸戦型でない国家安全保障体制にはコストと困難が伴う。https://t.co/g5HYpIAnPN— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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第二に、プーチンはウクライナ軍が初日で逃げ出すか降伏すると見込んでいた。海外のオブザーバーの多くが予想したように。もちろん今、彼らはシナリオを変えている。しかし、数日前の投稿では、彼らはウクライナ人が本当に抵抗するとは思っていなかったようだ。https://t.co/aeQTLA5ePZ— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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だからプーチンは単一部隊で攻撃した。ロシア軍は突進した。ウクライナの正規軍も国土防衛隊も撃滅しないまま。正しい電撃戦であれば、第2、第3の部隊がウクライナの守備隊を仕留めに来るはずだ。しかし、そうしなかった。そもそも追加部隊は存在しなかったのだ。https://t.co/O4OSTtYA0w— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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そのため、すぐに補給と補充の問題が発生した。第一部隊は突進した。弾薬、燃料、そして人員の補給が必要だ。しかし、補給部隊は攻撃される。後方に残存した正規軍と国土防衛軍に。https://t.co/e2pfxtyEjL— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ウクライナが手に入れた数少ないベイラクターによってhttps://t.co/C5b4bqrAK8— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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そして、政府が銃を配給したばかりの国土防衛隊。これらの人々は、ロシアの隊列に立ち向かうことはできないが、車列を攻撃することはできる。思い出して。ウクライナには戦闘経験のある退役軍人が民間に大勢いることを。https://t.co/7O6tRR7FK0— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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2014年に親ロシア派の反乱軍を率いたストレルコフによるテレグラムの投稿が、この意見を裏付けている。補給隊が破壊されているのは、二の矢となるべき第二部隊が存在しないからだ。https://t.co/X0F9wcZRIL— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンはどうやらヤキモキしているようだ。2月25日のビデオで、彼はウクライナ軍にクーデターを起こすよう呼びかけた。そもそも彼の計画がうまくいっていれば、そんなことは必要ないのだが。https://t.co/bpBZuOFFHY— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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この作戦の敗北は、プーチンとその政権に甚大な影響を与えるだろう。彼らはこの敗北を生き延びることはできない。一方、プーチンが同じ戦法のままで勝利することは考えにくい。https://t.co/aml7IuDCoL— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシア兵はもともと士気が低いわけではない。むしろ、戦争の厳しさに依存する。ほとんどのロシア兵は熱心だ。娯楽や冒険に満ちた外国でのちょっとしたバカンスに対して。だが、死と隣り合わせの厳しい長期戦を戦うこと。これはまた別の問題だ。https://t.co/MARLqTCxIY— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシア軍の士気は、広く過大評価されている。社会学的研究によると、入隊の主な動機は通常、アパートを手に入れることらしい。彼らはたいてい、生活の見通しが立たない、恵まれない環境にいる若者たちだ。国から住宅をもらうチャンスなのだ。https://t.co/Ut5l1vNZm6— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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でも、あなたが死んだら?住宅は手に入らない。ウクライナでは抵抗が続いている。おそらくはそうするしかないから。戦争は血なまぐさい 。国内のロシア人のモチベーションを大きく下げる。ロシア側には、現地に行く熱意はないだろう。https://t.co/gigkKgYGU7— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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プーチンにできることは?1. インフラの破壊を始める(完了)
2. 都市を封鎖する(完了)
3. チェチェンやシリアのように爆撃機や大砲で都市を平らにする(可能性あり)。最初の2つは人道的な大惨事を引き起こし、彼が望むように、抵抗の意志を断ち切るだろう。https://t.co/YO39CnzLCK
— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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第三の理由はよりやっかいだ。チェチェンやシリアでは公然たる大量虐殺を容易に正当化できた。「ジハードとの戦い」だから。「テロとの戦い」はフェアプレイだ。ウクライナでの正当化はより困難だ。実際にNATOの反応を引き起こすかもしれない。可能性は排除できない。https://t.co/IrGXG7B8cS— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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私の予想:戦いが続き、勝利が得られない場合、ロシアの能力と戦う意志は急速に失われるだろう。プーチンには戦意喪失などという選択肢はないが、多くの部下はその選択肢をもっている。https://t.co/dEQViHy3pq— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシアが厳密な意味で負けず、何らかの休戦協定が成立した場合でも、ウクライナの勝ちだ。なぜか?多くの人がこの紛争を運動学的と表現している。とんでもない。人間の紛争や相互作用は運動学的ではない。それらは神話的であり、神話に基づいて実行されるのだ。https://t.co/vDxbsDl7XL— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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貨幣は神話だ。私たちがそう信じているからこそ存在する。権力は神話だ。国家は神話だ。制度は純粋に神話的なものだ。1572年のモスクワ焼き討ち事件の話をしよう。イワン雷帝は国をゼームシチナ(公的な国土:貴族領)とオプリーチニナ(ツァーリの直轄領)に分けた。https://t.co/cJGn1JBAEY— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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オプリーチニナは彼の個人的な支配下にあった。オプリチニク(彼の軍)はゼームシチナに対して恐怖の軍事行動を開始した。彼らは貴族を皆殺しにし、都市を大虐殺し、膨大な数の無抵抗な民を殺した。なぜか?彼らは強く、勇敢だったからか?否。神話がそうだからだ。https://t.co/zttFSawk8g— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ロシア人は正統派王政の神話の中に生きていた。むろん、正統派ツァーリに逆らう者もいただろう。しかし、彼に対抗するレジスタンスの組織化は不可能だった。ゆえに、抵抗勢力は個人だ。だから組織化されたオプリーチニク軍によっていとも簡単に潰されてしまう。https://t.co/0gbfCQtI7v— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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オプリチニクは非常に勇敢でワルになった。ロシア人の神話では、99%の人がこうした治安部隊への抵抗を禁じられているからだ。時がたち、彼らは自分たちが本当にクールだと思いはじめた。1572年、クリミア・ハーンがモスクワに攻め込んだ。オプリチニク軍は対抗した。https://t.co/rxffaERv6a— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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運動学的に言えば、彼らは圧倒的な優位性を持っていた。 銃、大砲、はるかに重い装甲や武器。彼らの防御力と攻撃力は非常に強かった。だが彼らは一日で敗北した。矢だけで。なぜなら、彼らがかつて戦っていたのは、神話で抵抗を禁じられている民衆だったからだ。https://t.co/sxZBWA4CbB— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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モスクワの神話では、オプリチニクは無敵の半神だった。正統派ツァーリの手として生きている神のような存在だ。しかし、外敵に直面したとき、彼らはこの神話的な空間から引きずりだされた。虫けらのような人間として、顔に矢を受けることができる新しい空間へと。https://t.co/NFu3p8vJra— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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彼らは顔に矢を受けることには慣れていなかった。自分たちが半神でなく人間であることに気づき、彼らはショックを受けた。彼らは鎧や銃、大砲を捨てて逃げ出した。モスクワは、「運動学的」「技術的」に完全優位にあったにもかかわらず、焼け野原になった。https://t.co/s2pIG2rLgH— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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そう。権力は神話的なものだ。ロシアの国家警備隊は神話的空間の中で神だ。神のような国家を象徴している。しかし、彼らはウクライナがこの神話的空間を離れてしまったことに気づいた。したがって、ロシアの国家安全保障もウクライナでは無力だ。彼らはただの人間なのだhttps://t.co/gYueqoL1t4— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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そして最後に。非常に優位な敵に対する抵抗の事実は、大いにウクライナの神話を力づける。私たちが目撃しているのは、巨大な神話構築なのだ。戦争という現象は、神話的次元を考慮に入れなければ考えられない。https://t.co/24pEe1flZT— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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ベネチアの話をしよう。ナポレオンが来たとき、彼らは発砲せずに降伏した。非常に賢く、命を救い、街を守った。ただ、ヴェネチアの神話を殺した。人々は生きながらえたが共和国は滅んだ。共和国は復活せず、今後も復活することはないだろう。https://t.co/icMexUVJUx— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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往時の軍事理論家はそれを理解していた。クラウゼヴィッツは、独立を失ったかどうかだけでなく、どのように失ったかが重要だと指摘した。もし戦わずに降伏したなら、命は助かるかもしれない。しかし、あなたは神話を殺したことになる。征服者に飲み込まれるのみだ。https://t.co/YSAwj0pD0t— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
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しかし、残酷で血なまぐさい戦いの末に負けたとしても、あなたがたの神話は生きている。最後の戦いの記憶は時代を超えて生き続ける。それは、あなたがたの子孫が生きる神話的空間を形成する。そして、彼らは機会あるごとに独立を回復しようとするだろう。スレッド終了。https://t.co/mEHL1qMaWI— 仮蔵 (@karizo2022) April 1, 2022
おお!そこ、翻訳では飛ばしてしまったんですけど、そうなんですよ?。彼の熱量が伝わったようで嬉しいです。
— 仮蔵 (@karizo2022) April 2, 2022
2月27日の時点で既に予想できた。 pic.twitter.com/jSWFErfAxX
— あわ雪 (@awayuki2024) April 1, 2022