昨日アップルストアで応対して下さったスタッフが目の見えない方だった。恐らくインカム(音声)と連動していたのだと思うが、iPhoneを手探りで上手に操りながら、受取り商品の確認から事前決済のフィニッシュ、受け渡しまでが自然に行われるのを見て率直に驚いた。さすがにアップルは進んでいるなぁと
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)その時は思ったのだが、この体験がもたらした意義がわかったのは帰りの電車に乗ってしばらく経ってからのことだった。たぶん、その彼(仮にJさんとする)は他のスタッフと同等にシステムに精通している(私がいくつか投げかけた質問にも立て板に水で答えてくれた)。だからと言ってすぐに店頭に
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)立つには難しい面もあったはずで、きっとそのために相当のトレーニングを積んだのだろうし、それをサポートするシステムや環境をつくるアップルの英断ももちろんすごい。
でも、何より私がJさんと接して思い至ったのは、私自身がそれまで目の見えない人と直接触れ合う機会がなかったという— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)ことだった。翻って、それはつまりアップルが、ユーザーが目の見えない人と交流する体験をポジティブに捉えていることの現れでもある。実際、私は少しドギマギしながらJさんとの間に努めて一線を引かないコミュニケーションを探ろうとその短い時間の中で考えをめぐらせ、非常に刺激的なやりとりを
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)愉しんだ。これを何と形容すべきか今日もしばらく考えていたのだが、少なくともそれは(アップルが提供する)「サービス」とは言えないだろうと思う。なぜなら、そう言った途端に、目が見える他のスタッフはその体験を同じように提供できないからだ。そう称することでスタッフ間に差別化が
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)生じるなら、それはサービスではない。ならば、体験として近いのは「ギフト」かなとも思うが、同じ時間帯にそれを受け取れたのは店内で少なくとも私だけだったので、あまり正確ではない(とは言え、本当に贈り物のような時間だった)。
で、結局のところ合点がいったのは、あれは— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)「デモンストレーション」だったということだ。iPhoneは目の見えない人にも使える、それをJさんは目の前で示してみせた。そして、そのことを私がこうして書いている。偉そうに言うことじゃないかもしれないが、そのスキーマに思い至らなければ、「アップルはダイバーシティに配慮した雇用を
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)実現していてすごいなぁ」程度の認識に留まっていただろう。でもこれは雇用創出するよりもはるかに高度なプロジェクトだ。例えば、建設現場に車椅子の作業員の人がいたとしたらどうだろう。Jさんと出会った今なら私は驚かない。テクノロジーによってそれをサポートする環境づくりはいくらでも
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)可能だと思えるからだ。逆にその可能性が見落とされることで大きな便益が損なわれている例はまだきっと多い。それらは裏を返せば、課題解決の鉱脈でもある、そう思えるのもJさんのエンパワメントがあるからこそだ。私が彼から受け取ったものとは、わずか10分程度の滞在の中に二重にも三重にも
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
続)込められた意味を考え、プロジェクトしていくような可能性の種だろう。だからこそ、こうしてその一歩目を刻んでみたりしている。
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 8, 2021
それは存じ上げませんでした。Jさんとのコミュニケーションには多くの人のトライアルが込められている実感がありましたが、それは仰るようなアップル独自のアクションの積み重ねの上に成り立っていたものだったのですね。教えてくださってありがとうございます。
— 川尻 大介 (@jiricom2) December 9, 2021