コウノドリ特設HPに鴻鳥先生のモデルになった荻田和秀先生の悩み相談がすごくしっかりしてる。大体は妊婦さんからの相談なんだけど、産婦人科の先生になりたい12歳からの悩み相談に対してめちゃくちゃいいこと言ってるから見て欲しい。 pic.twitter.com/19r4RlWf5T
— そうねちか@ひーろくん (@sounechika) 2017年11月8日
金曜ドラマ『コウノドリ』公式サイトより
Q. 私は今中学1年生ですが小学校2年生からずっと産婦人科医になりたいと思っています(助産師も興味があります)
理由はこの前のコウノドリ2話のように私の母も私を妊娠中に子宮頸がんであることが分かって子宮摘出など色々しましたが2歳のときに亡くなってしまいました。
私のような悲しい思いをする人を少しでも多く減らしたいと思ったからです、しかも産婦人科医にはなにか言葉で表せないようなものを感じています。コウノドリ1のおかげで、さらにその思いが強まりました。医者になるのはそう簡単では無いので今のうちから出来ることや、やっておいた方がいい事はありますか?
また先生はどうして産婦人科医になったんですか?どうしても産婦人科医になりたいんです。よろしくお願いします。
A. 外来の見学ね。まあこっち来てここに座りいな。
君はサクラと同じ思いをしたんや…。
僕は君の年齢では医者になろうなんて考えてなかったなあ。君は偉いなあ。その歳で「自分のような悲しい思いを他の人にさせたくない」って思うなんて、僕は切なくて涙が出そうやわ。
僕が産婦人科医になったのは、新しい命が誕生する場面に立ち会う喜びにしびれてしまったからやねん。それと産婦人科は女性の病気全般を診ることができるから。子宮癌や卵巣癌の治療(婦人科腫瘍)もあるし、更年期障害のホルモン治療もあるし、不妊治療もある。そして何より新しい命に触れることの出来る周産期があるからなあ。
皆が幸せなお産をするとは限らへんねん。持病や癌などと闘いながら命のバトンを繋ぎたいと考えるお母さんがおるねん。産婦人科医は、癌治療、ホルモン治療、不妊治療と周産期医療を組み合わせて、そう言った人が子どもを産み、育てられるように伴走する仕事でもあるんよね。プロとして、科学者の端くれとしてこれはすごくやりがいのある仕事やで。
だからこそ君にひとつ忠告しとくわ。
君は辛い思いをした分、すごくいいお医者さんになるに違いない。もうそれは間違いない。でも、お母さんの仇を討とうと思っているなら、医者になるのはやめといた方がええ。君がしんどくなりすぎるから。
どんなに医学が進んでも、どんなに一生懸命、考えられる限り最上の治療をしても、助けられない人は必ずいる。すべての人が思い通りに治るわけやないねん。君はそんな場面にプロとして立ち会える?ずーっと冷静でいられる?
だからそれを乗り越えていけるように…いま、本を読みなさい。小説でも古典でもノンフィクションでも、とにかく出来るだけ沢山本を読みなさい。そこにはいろんな時代のいろんな人のいろんな悩みが書かれてるから。
そして音楽を聴きなさい。クラシックでもジャズでも何でもいいから、音楽を聴きなさい。そこにも作曲者や演奏者の思いや悩みが奏でられてるからそれを感じて欲しいねん。
それらを目一杯取り込んで…自分の思いや悩みと置き換えなあかんねん。そんでもっていつか自分の気持ちをぐーっと楽にさせる事が出来たら、それから医療の道にすすみなさい。必ず、進みなさい。まっすぐ、進みなさい。
その道のどこかで、君を待ってる。