「最低な自分、最高!」でうまくいく

セルフイメージが大切なのは、自分の自分に対する扱い=社会から受ける自分への扱い、だからなんですよね。

自分で自分を「こんなもんだ」と思えば周りからも「こんなもんだ」という扱いしか受けません。
成功して、認められたいなら、まず自分で自分を認めることが大事です。

要するに、どこまで自分自身にOKを出すのかということ。

よく見るのは、「ステキな自分」なら受け入れられるけれど、「ダメな自分」は受け入れられないという人。
僕自身もかってはそうでした。
こんなふうに自分の半分にしかOKが出ていない状況だと、社会からも自分の半分しか認めてもらえません。

社会からちゃんと認められたいなら、自分のこともちゃんと自分で認めないとダメなんだ、ということがわかりますよね。

僕20歳くらいのとき、劣等感のかたまりでした。
なので、誇れる自分がほしいと思って、チャリンコでオーストラリア1周に旅立つわけですが、オーストラリアがあまりに広すぎて、途中で挫折し、車を買ってしまいます。

もし、チャリで1周できたら、「自分超LOVE」になれたでしょう。
でも、「俺、また挫折しちゃったよ」みたいなモヤモヤを味わって、あいかわらず劣等感を抱えながら、旅をしていたんですね。

で、あるとき酒場で飲んでいると、「この中でいちばん面白い失敗談を話したやつにビールをおごる」というゲームで盛り上がっていました。

僕の順番が来る前までで、いちばん面白い話をしたのは「ミスター59」という男でした。
彼がなぜ「59」なのかというと、牛に「59」の焼き印を入れようとしたら、蹴られて自分の太股に焼き印が刻印されてしまったからだとか。

彼が太股に刻印された「59」の跡を見せると、みんな大爆笑です。

「ジャパニーズ、おまえも何かネタないのか?」と言われた僕はこんな話をしました。

「俺、島国から来てて、オーストラリアも島国だと思ったから、チャリで1周しようと思ったんだよね。
でも、横断するのに55日もかかっちゃって、オーストラリアって島じゃないじゃん、大陸だってやっと気づいて、さっき車買ったんだ。
ちなみに俺の名前はHONDA」

そしたら、ドッカーンと大ウケです。

「今日はおまえがチャンピオンだ!」
とみんなからビールをおごってもらえて、そのとき初めて「失敗した自分LOVE」になれたんです。

それまでは「オーストラリア大陸を1周できたすごい自分」ならOKでしたが、「挫折した自分」はNGでした。
でもみんなは、失敗した自分に笑ってくれたんです。

そのとき僕の中で変化が生まれました。
「あれ?失敗した自分、いいかも!」。
そう思えた瞬間、「失敗した自分」にもOKが出たんです。

ダメな自分でもOK、失敗した自分でも愛される、とわかると、失敗がこわくなくなります。
失敗したり、ダメな自分をさらしても、「もっと愛されちゃうよ、イェーイ!」
みたいな不思議な力学がスタートするので、どんどん挑戦できるんですね。

なので、「うまくいっている自分」「ステキな自分」だけじゃなくて、「失敗した自分」「ダメな自分」も受け入れると、チャンスが広がって、夢にどんどん近づいていきます。