幸せになれない「占い好き」な人の特徴

とてもよく受ける相談の1つに、「彼に告白したいと思っているのですが、振り向いてくれるでしょうか?もし占いで上手くいきそうという結果だったら、告白してみようと思います」というものがあります。

もちろんこういう相談を占い師にすることが悪いわけではありません。問題なのは、自分の人生の決断を自分以外に預けてしまっている点です。実は未来に保証を求めれば求めるほど、未来を自分で切り開くエネルギーは弱くなるのです。

実際、以下のような、相談者に出会ったことがあります。

J子さんは、ひとめぼれした男性に告白するかどうか悩んでいました。タロット占いでは、「彼はあなたのことをお友達くらいにしか思っていないし、ほかに好きな人もいそうです。一筋純ではいかない可能性が高い。でも告白したいと思うあなたのチャレンジから、学ぶことはたくさんあるかもしれない」という結果でした。

そして、J子さんは勇気を振り絞って彼に告白をしたのです。彼の返事は予想どおり「お友達でいましょう」でしたが、「告白できた自分」に自信を得たJ子さんは、その後、別の男性との出会いがあり、心をオープンに接することで相思相愛になれたのです。その後、私の元を訪れられ、「告白して本当に良かったです!あの時の自分がいたから今の彼ができたのだと思います」と喜びのご報告をいただきました。

何が正しいか、正しくないか、占い師としてとても考えさせられる経験でした。
「答えは1つではない」ということであり、未来の損得だけにとらわれることが、どれほどチャンスを奪うことになるのか気付かされたのです。

私自身も数年前、某占い店に所属するに当たり、知人に占ってもらったことがあります。鑑定結果は「そのお店は早々に閉鎖する」というものでしたが、知人は「それでも、あなたはチャレンジしたほうがいい」と背中を押してくれました。

所属して半年後、店は占いの結果どおりに閉鎖となり、一瞬慌てたのですが、そこで出会った占い師仲間から、次にお世話になる占いの店舗を紹介いただけ、今の私があります。しかも、短い間ではありましたが、半年間お世話になったそのお店からも経営の多くを学ぶことができ、この選択なくしては、こうした本を書く立場に立つことはなかったでしょう。

未来の予想が、あまり思わしくないものだったとしても、チャレンジをやめてしまうことが本当に幸せなのかどうか、考えさせられる出来事でした。目先の未来に保証を求めていては、失うチャンスもあるかもしれないということなのです。

本来の占いは「成功するか」「失敗するか」の二択を教えてくれるものではなく、今の自分では気付かない発想やアイデアを与えてくれ、脱出する道を示唆してくれるものだと考えます。これは占い師側の課題でもありますが、成功か失敗かといった二者択一だけではない情報を導き出していただきたいとお伝えしたいのです。

読者の皆様も、占いに目先の保証を求めたり占いで決めてしまうのではなく、占いから得られる情報によって、「決められる自分」になっていただきたいのです。

人は自分で決めて行動してこそ、自分の未来を信じることができます。自分に自信が持てるようになり、運勢エネルギーは強くなります。占い師に人生の選択を委ねれば委ねるほど、どんどん自分の人生に自信が持てなくなり、「幸せを引き寄せる力」は減っていってしまうのです。

このことを証明するような実験が過去にあります。ハーバード大学の心理学教授が行った次のような実験です。

老人ホームの入居者に二通りの態度で接して、その後の入居者の様子を観察しました。あるフロアのお年寄りたちには、「本気でやればできないことはありません。家具を動かしたり散歩に出かけたり、好きなテレビを見たり、何でも好きなことをしていいんですよ」と伝え、「ここに鉢植えを置きましょう」と花の鉢植えを渡し、自分たちで世話をするように仕向けました。

一方、別のフロアのお年寄りには、「ここはあなたのお家ですよ。あなたにはいつでも幸せでいてほしいから、私たちが一生懸命お世話いたします。そうそう、ここに鉢植えを置きますね。このお花もちゃんと私たちがお世話しますから」という接し方をしました。

その結果、前者のグループでは93%がいきいきとして元気になり、後者のグループは71%が衰弱するという違いが出たのです。さらに1年後、死亡率は前者が15%にとどまったのに対し、後者は30%という結果となって表れたのです。

この実験が物語っているのは、自分で人生をコントロールできているという意識がある方が、生命力は格段に上がるということです。つまり、「自分で決めている」という意識が人生を意欲的に切り開いていく力を生み出し、結果的に幸せに至るということではないでしょうか。

「転ばぬ先の杖」的に占いを活用することが悪いわけではありません。しかし、あなた自身の心が求めているチャレンジに歯止めをかけるために、占いがあるのではありません。占い師に決めてもらうのではなく、占いによって客観的に現状を把握し、「決められる自分」になることが重要なのです。

これは、占いの結果に従って行動する必要はない、という意味ではありません。
占いを愛用されている皆さんの中には、占いどおりに行動して、「幸せになっている人」と「不幸になっている人」が明らかにおられます。この二者の違いにこそ、幸せを引き寄せるヒントがあるのです。

その違いは、自分で決めているという意識があるかないかです。占いの結果に従って行動する時ですら、「自分で決めている」というスタンスを持つことなのです。

人生を変える一番の力を持っているのは、運命でも、占いでも占い師でもない、あなたの決意と行動ということです。占いが「行動をしない言い訳」になってはいけないと思います。占いはあくまでも、「決断できる自分になるため」「行動できる自分になるため」に使っていただきたいのです。