最も簡単な対処法は、カフェインの摂取です。
食後にコーヒーや紅茶、緑茶を飲む習慣は、昔から受け継がれている文化です。
知識もない古代の人達は自分たちの体感でもって、食後の眠気に効果的な方法を割り出したと考えられます。
食後の主な眠気の発生要因は、オレキシンという覚醒補助ホルモンの減衰(少しずつの減少)と、アデノシンという睡眠物質が脳脊髄液に蓄積すること、四肢の血流低下と体温の上昇です。アデノシンが蓄積することで機能しはじめたGABAが、集中に必要なホルモンの邪魔をしてしまいます。
カフェインは、GABAが集中力を低下させ眠気を発生させるのを、ブロックする効果があるため、結果として眠気を抑えることができるのです。
予防という意味では、お昼ごはんを食べる30分ほど前に、玉露や紅茶、コーヒーなどカフエインを含有している飲料を摂取することで、食事から発生するアデノシンの吸着を阻害することが可能となります。これは、カフェインの効果が15~30分ほど経過したときに発生するためです。
食後にカフェインを摂取した場合は、カフェイン摂取直後に仮眠をとることで、寝起きの爽快感が向上します。
別の理由となりますが、食後の眠気が発生するためには、食後に”生物的に眠っていてもいい環境”にいる必要があります。
“生物的に”とは、温かい空間で、全く動かずとも捕食される心配がほとんどない状態です。
この場合の”生物的に”と対義語になるのは、”社会的に”という言葉です。
重要な会議は社会的に非常に大切な時間ですが、生物的には危険がありません。そのため、強い眠気が発生したり、頭がボーッとしたりしやすいと言えます。
逆に外に出て、日光を浴びながらのウォーキングなど簡単な運動をすると、胃に集中しがちな血液を全身に巡らせることができ、眠気の発生を抑制できます。
また、運動によって代謝が向上することで睡眠物質の分解も期待できるのです。
食後の3秒スイッチストレッチ
手のひらの中央に、もう片方の手の親指を当て、1、2、3と圧をかけます
食後のぼんやり頭をスッキリさせる、ごく簡単なストレッチです(同じストレッチを足の裏に行っても効果があります)これによって血流が促進されます。
親指で手のひらに圧をかけつつ、さらに残りの指で、手の甲から中手骨(手の甲の骨)を揉むことで、さらに短期間で血流を促進し、眠気を取ることができます。
本来食事の後は、四肢の末端には血液が流れにくくなり、手足が温かくなります。その後、眠気が発生して、集中力が低下するのですが、食後にマッサージを行うだけで、四肢の末端に血流を流すことができ、頭が覚醒します。
ここで注意したいのは、このストレッチをあまりにたくさんやりすぎると、本来消化器系に流れるはずだった血液を四肢に流してしまうため、消化が若干滞る可能性が出るということです。食事の内容や量と相談しつつ、両手を3回程度マッサージすることが最適です。
カフェインの取り過ぎも同じですが、頭の覚醒と健康はバランスを取ることが非常に大切です。