梅雨が明け、いよいよ本格的な夏を迎えました。
街中では35度を超える猛暑日を報じるニュースが各地で見受けられています。
8月11日「山の日」を迎えるにあたって、夏山へ出かける人も増えていることでしょう。
車や電車など交通機関を使えば1時間ほどで山に行くことができます。
標高3000mの高さの山の温度は猛暑日でも17~8度と低く、体感温度はさらに2~3度低いので ひんやりとした涼しさを満喫することができるのです。
そして、山登りをする上で、決して忘れてはいけないのが山に住むクマの存在です。
山菜採りや夏の登山で山に入った方がクマと遭遇し、事故になるニュースが毎年報じられています。
急増するクマ被害、人を怖がらない「新世代」が増加 「人=食べ物」と学んで襲撃かhttps://t.co/05ZMJSXukv pic.twitter.com/KUkbKmrgJZ
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2016年6月27日
なぜ人はクマに遭遇してしまうのでしょうか。
クマの食べ物について少しご紹介したいと思います。
クマの食性は植物性の強い雑食です。
春~初夏にかけてのクマは、フキやセリ・ミズバショウ、そして冬を越せなかったシカなどを食べます。
夏のクマの餌は主にアリやハチといった昆虫や、サワガニなどです。
地域によっては高山植物の実なども食べます。
秋のクマの餌は、主に森林に生えているミズナラなどのドングリ・ヤマブドウの実などです。
時期によって、またクマそれぞれによっても、クマの餌は変わります。
これらの生息するところは特に注意を払いましょう。
実のところ、クマは日本中どこにでもいて、出会うリスクをゼロにする事は難しいのです。
自分の身を守るには「出会わないための予防」と「出会ってしまった場合の対処」が重要です。
間違ったクマ対処法
死んだフリ→熊は死肉も食べます。
木に登れば大丈夫→熊も木に登れます。鋭い爪でガシガシ登ってきます。
熊に背を向けて猛ダッシュすれば逃げ切れる→とんでもない。クマは時速40kmで走れます。100m走9秒です。
川に身を隠すと気づかれない→クマは水を恐れないどころか泳ぎが得意です。
正しい対処法を知るために、Wildlife Service Japanには分かりやすい解説漫画が掲載されています。
どんな風にクマと遭ってしまうかというと・・・
では 万が一クマと出会ってしまったら・・・
クマとの不幸な事故を避けるために・・・
特定非営利活動法人Wildlife Service Japanより
http://www.npo-wsj.org/
知床財団ウェブサイト「ヒグマ対処法」
人身事故情報のとりまとめに関する報告書(日本クマネットワーク,2011)
鹿角市におけるツキノワグマによる人身事故調査報告書(日本クマネットワーク,2016)
熊!に出会った襲われた(つり人社書籍編集部 編,2016)
この漫画はSNSで話題となり、1万人以上がいいね・リツイートしました。(許可を得て紹介)
様々な意見や質問が飛び交い、漫画の作者かざりやさんが追記。
「クマは積極的に人を襲う」って、なんてこと言ってくれてんだ(*_*)
ほんとにそう発言したのか、記事編集の段階でおかしなことになったのかその辺わかりませんが、もしクマがそんな動物だったら今頃山の中は死屍累々ですよ… https://t.co/VhjMkM3k4r— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月22日
クマは人を積極的に襲う動物…
じ ゃ な い か ら 、
音を立てて人の存在を知らせることでクマとの事故を避けられるんです。
この新聞記事を読んで「そうなんだ?」って思ってしまう人がいませんようにと祈るばかりです— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月22日
このツイート、思った以上にRTいただき嬉しいです。少しでも対策について理解が広まればと。
で、これに関するツイートでちょこちょこ気になったものがあったのでひとつずつ説明と私なりの考えを書いていきたいと思います。ここから連投になりますがご勘弁を… https://t.co/ztkU9bH1dM— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
> そもそもクマがいるような奥山に行かなければ良い
全国的にクマは分布を広げておりまして…(日本クマネットワークの調査結果→https://t.co/9YSSXSZyzL)。
地域にもよりますが、今や奥山じゃなくてもクマに会う可能性があるのです。— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
> 山に行くな
立入禁止の場所や事故が起きた地域に行かないのは大前提として。
その他の大半の地域にも行くなと言うのは、ちょっと意地悪な言い方になりますが「溺れると危険だから海行くな」「日射病怖いから夏の昼間は外出するな」「事故を起こすといけないから車乗るな」みたいな(つづく)— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
(つづき)ことと同義ではないかなぁと思います。極端な話、どこに行こうが何をしようが、大小何かしらのリスクはあるわけで。でもそれぞれ対策(浮輪や救命胴衣、日傘や帽子、水分補給、エアバッグなど)やルール(遊泳禁止のとこには行かない、交通ルール)があって、そのおかげで(さらにつづく)
— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
(つづき)皆さん基本的に安全に暮らしているのだと思うのです。だからクマも一緒で、「対策とかそんなことよりもそもそも山に行くな」ではなくて、対策を知っておきましょうよ、と私は思っています。
— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
> 秋田は例外
いろんな人の証言から「音に寄ってくるクマがいる」の事実なのだろうと思います。かといって、「秋田のクマがみんなそうだ」「秋田のクマには音を鳴らしたら逆効果」は主語が大きすぎるのでは…。
まず、音に寄ってくるクマに遭遇したら、必ず役場に通報してください。(つづく)— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
(つづき)警察でも良いかも。通報すれば、役場はその地域を立入禁止にしたり、周辺住民に注意喚起したりする(はず)です。そして当然、そういう地域には入らないでください。
一方、その他の地域で「音鳴らしたら危険だから」と静かに行動してしまうと、人に寄ってくる気のなかったクマと(つづく)— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
(つづき)のバッタリ遭遇を避けられません。音で人の存在を知らせるのは基本中の基本です。
まとめると、
・音に寄ってくるクマがいる地域(通報受けて状況把握している役場なら、問い合わせれば教えてくれるはず…)には行かない
・音で人の存在を知らせる
・万が一のために心構えと備えをする— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
> 自分が風下にいるとクマスプレーを被ってクマに襲われる以上の惨事になる
クマスプレーを使うような状況では風向き気にしてられないと思うので、風下で使わざるを得ない場合もあると思います。が、噴射したクマスプレーがガッツリ自分にかかってしまうほど風の強い日はそもそも周囲の(つづく)
— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
(つづき)音が聞こえづらいので、最初から山に行かない方が良いと思います。
— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
> ラジオなど音を鳴らし続けるのが良い
静かに行動するより何倍もマシですが、もし周りの音が聞こえないくらい大音量でずーーーっと鳴らすなら、それは危険と思います。クマに音を聞いてもらうだけではなく、自分も周りの音に耳をすませ、気配を察知できるようにしておいた方が良いと思います。
— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
> 鈴持ってても事故に遭ったニュースがあった
詳細不明なのでなんともですが、しばらくしゃがんで大きく移動せずに山菜採ってたら鈴は鳴りませんし、沢のそばや風が強い日は鈴の音が聞こえないこともあるでしょう。(つづく)
— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
(つづき)注目すべきは「鈴を持っていたのに」ではなく「そのとき鈴は鳴っていたか?聞こえる状態だったか?」という点ではないかなと思います。「鈴が鳴っていて、聞こえる状態だったのに襲われた」なら、その地域を立入禁止にするとか適切な対処が必要かと。
— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月27日
> ツキノワとヒグマは違うと思う
そうなんですよ?。
でも、多少の違いはありますが(ツキノワで大きな獲物キープしてて襲ってきたとか若いのがじゃれてきたとかはほぼ聞かない)、音とかクマスプレーとか対策の基本事項は両種共通なので!基本事項をぜひ覚えておいてください!— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月29日
> 図解にはダメって書いてあるけどいざとなったらリュックとか食べ物とか投げちゃう…他の人のことなんか考えてられない
気持ちはわかりますが…。
そんなときのためのクマスプレーですよ(`・ω・´)9!— かざりや (@kazariya0302) 2017年6月29日
クマのニュースが報道される度に漠然と「怖い怖い」と大騒ぎするのではなく、きちんと対策を知ることで「もしも」のリスクを減らしたいですね。