核ダイヤモンド電池で核廃棄物が安全なエネルギーになる

今回開発された人工ダイヤモンド電池ですが、現時点ではそれほど大きな出力は期待できません。
研究チームによれば、ダイヤモンド電池が生み出すことができるエネルギーはダイヤモンド1g(5ct.)あたり1日約15ジュールということです。この1日15ジュールというエネルギーは非常に小さく、例えばアルカリ単三電池1本のもつエネルギー量が約14,000ジュールなので、一気に大電力を使う製品には利用できません。
しかし、このダイヤモンド電池の特徴は超長寿命であることです。炭素14の半減期の関係から、5730年経った後も約半分の出力を維持しています。つまり、人の寿命約100年程度では、ほとんど劣化せず、出力が落ちないことになります。この利点を活かし、微量のエネルギーで作動する腕時計やペースメーカーに使用すれば、一度ダイヤモンド電池を組み込んでしまえばもう電池交換が不要になります。
他にも衛星など、電池交換が難しい用途での活用が期待されています。