挑発に対して冷静に立ち向かう

ジョン・トッド著 渡部昇一訳『自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法』三笠書房より

仲間の間でけっして感情をむき出しにしないこと。

たとえ意地悪をされたり怒らされたりしても、そこで興奮してはならない。

どんなに大声で怒りを爆発させたくとも、完全に冷静を保ちなさい。

「冷たい刃ほど切れる」のだから、必ず論争に勝てるはずである。

挑発に対して冷静に立ち向かう人のほうが、必ず仲間の支持や尊敬を集める。

「すぐカッとなって喧嘩腰になるような人間は、放っておけばいい。

そういう人間の喧嘩相手はすぐに見つかる。

彼以上に強い者があらわれて、あなたよりうまくやっつけてくれる。

口論好きな人間は、一生決闘をし続けなければならない」

論争は通常、自分の意見を強く押し出し、勝利をめざして争われるものであり、仲間の間で行われるべきものではない。

どちらか傷つかなくてはすまない。

議論がそこまで昂じたら、すぐにやめるべきである。

考えや意見を対話によって交換し合えるということほど、人間に与えられたすばらしい贈り物はないのだ。

これは永遠の慰めでもあり、たいへん役に立つ道具でもある。

また、同様に、口はわざわいのもとともなりえる。

良くも悪くもなり得る道具である。

したがって、われわれの責任は重大である。

言葉ににじみ出る感情は、多かれ少なかれ他の人に影響を与える。

それが正しい影響なら結構だが、そうでなければとんでもないことになる。

この贈り物の使い方には重大な責任が負わされていることを、一日でも忘れてはならない。

http://ameblo.jp/hiroo117/より
意図しているか意図していないかに関わらず、相手を怒らせようとする人がいる。

あるいは、議論をふっかけてくる人もいる。

それに対して、たいていの人は同じ土俵に乗ってしまい、感情的に熱くなったり、怒ってしまったりもする。

だが、よそから見ていてカッコイイ人は、常に冷静な人だ。

どんなに相手が感情的になろうと、喧嘩腰であろうと、それに対して感情を高ぶらせることなく落ち着いて対応する。

笑顔で、ユーモアをもって対することができたら最高にカッコイイ。

口角泡を飛ばして戦い、議論に勝ったところで、何らかのしこりは残り、逆にうらみを買ったりもするからだ。

同じ土俵に乗るのは、とても損だ。

血で血を洗う戦いになる。

同じ土俵に乗らなければ、戦わなくてすむ方法はいくつもある。

挑発に対して冷静に立ち向かいたい。