「全ての答えは自分の中にある」は間違い

 どう考えても答えが見つからないような問題に直面したとき、あなたはどのような感情を抱くでしょうか。
 怖い?不安?
 当然ですね。

「信じられないほど理不尽な上司と、かかわることになってしまった」
「仕事で、今まで体験したことのない事態に陥ってしまった」
「身に覚えのない誹誇中傷を受けたのに、周りが自分を信じてくれない」

 このような場合、誰しも不安になりますし、この先、何が起こるか恐ろしく感じると思います。それはまさしく「不確定な未来」に対し、自然と人間が「ネガティブな感情」を持つからです。
 そんなとき、誰でも心の中に浮かぶのは、自分に対するこんな質問でしょう。

「自分は、一体どうすればいいんだろう?」
 けれども、不確実な問題に対して、真っ先にこの質問を自分に投げかけてしまったら、どうなるでしょう?
 問題が、”自分にとって未知のこと”である以上、いくら自分の心の中に質問を投げかけても答えは出てきません。
 だから、多くの人が自問自答を続けることができず、「どうすることもできない」という思考停止状態に陥ってしまうわけです。
 こんなときに私たちが自覚すべきことは、「自分の頭の中のどこを探しても、答えは絶対に見つからない」ということです。
 だから、「一体どうすればいいんだろう?」と問うことに、この場合は意味がありません。ここで問うべきは、
「答えがあるとしたら、どこで見つかるだろう?」
「誰ならば、答えを知っているだろう?」

 そんなふうに自分に対する質問の内容を変えないと、私たちは次に進むことができないのです。

いい自問自答がいい行動を生み、成果につながる

 実際、私がガンになったときもそうでした。
 当然ながら、多くの人にとって「ガンになる」というのは想定外のことです。医師でもなければ、自分の頭の中に問題の解決策があるわけでもないでしょう。
「どうしたらいいだろう?」と、どんなに考えても、答えなど出てきませんね。

 逆に「この問題を解決できる人は、どこにいるのだろう?」と考えれば、やるべきことは明快です。
 とにかく、できるだけ情報収集して「ガンを克服した人の話」とか、「ガンは治る」と言っている医師の話を集めていく。
 ネットを見て、本を読み、高名な先生にも会いに行く。そうやって病気の克服法を探し、どんどん情報を集めていけば、あとは考えて実行するだけです。
 いい自問自答ができれば、どんな困難や逆境に直面しても、自分がやるべきことはシンプルになります。結果、その行動が成果に結び付いていくのです。