やって欲しいことを先回りして感謝する

 彼にお願いする時に意識したいことの1つは、“先に正解を見せる”ことです。間違いようのない、効率的で確実な方法です。

 男女をすれ違わせている原因のほとんどが、「言わなくてもわかるでしよ」「自分で考えて」と無責任なコミュニケーションをしていることにあります。
 彼が超能力者でもない限り、”言わなくてもわかること”なんて1つもありません。
 伝えることを放棄しながら、彼には機嫌を取ってほしいという、とても自分勝手な状態です。望んでいないごとをされて怒るくらいならや最初から正解を見せる方がお互いに心地よく過ごすことができます。

 生徒さんから聞いた話で、こんなエピソードがありました。
 仲良くなった男性がいて、いつも彼が彼女に何を食べたいか、行きたい店があるかを聞きリクエスト通りのデートをしていたそうです。
 でも女性は、「どこへ行くのかワクワクしたいから、彼に決めてもらいたい」と考えていました。そこで、「次は〇〇くんのおすすめの場所に行きたい」と伝えると、「店に疎いから喜んでもらえる自信がない」と答えたそうです。
 ここで、「じゃあ、彼から提案してもらえないんだ」とがっかりしてはいけません。彼女は「絶対外さない美味しいお店ではなく、〇〇くんが、私のためにお店選びをしてくれることがうれしい」と伝えたのです。
 すると彼は納得して、彼なりのプランで彼女をおもてなししてくれたそうです。
「その日のデートが一番楽しかった」と彼女は笑顔で話してくれました。

「お店選びで失敗したくない」という男性の考えと、「エスコートして欲しい」という女性の気持ち。この男性は、お店選びを失敗すると、彼女にがっかりされてしまうと考えていたかもしれません。
 男性がどこを見ているのか、女性が何を求めでいるのかは、伝え合わなければ、すれ違いはいつまでも解消されません。

 私はよく夫に、「相談があるんだけど結論は出ていて、それを認めて欲しいだけだから、アドバイスはせずに聞いてね」と前置きをして”自称相談”をします(笑)。すると夫は黙って最後まで聞いてくれ、余計なアドバイスもせず、「そう思うなら、やってみな」と求めた通りの回答をしてくれます(そう言わないと怒られるからなのですが・・・・・)。
 女性は、「すでに答えは出ていて、押しの一言が欲しいだけ」という場合が多くあると思います。そんな時、彼のアドバイスが望んだものと違えば、「だって」や「でも」を連発することになり、彼も面白いはずがありません。だから、確実に望むものを受け取る方法を考えるのが一番なのです。

 女性とは勝手な生き物です。
「意に反した言動には怒ってしまう」と潔く認めて、先に正解を見せる癖をつけましょう。彼にイライラするのも、たくさん感謝するのも、どちらも自分で選べることなのです。