鍬を持って耕しながら夢を見る人になろう

三十年ほど前にソニーの厚木工場を見学したことがあります。

創始者の井深大さんがまだ第一線で活躍されていたころです。

何よりも私の目をとらえたのは、 工場に掲げられたスローガンでした。

工場にスローガンを掲げるのは、どこでもやっていることです。

私の目を奪ったのはその中身です。

中身の素晴らしさに私は感動したのです。

「鍬(くわ)を持って耕しながら夢を見る人になろう」

これがスローガンの言葉でした。

人間は鍬を持って耕すと、ともすれば耕すことだけにとらわれがちです。

わが身を振り返っても大いに思い当たるのですが、経営者はことにそうではないでしょうか。

耕して、そこから得る収穫に一所懸命になってしまう。

ところが、耕すことに熱中していると、やがていくら努力しても収穫が増えない状態に遭遇します。

増えないどころか、じり貧に陥ってきます。

夢がなければ発展しません。

耕す努力だけでなく、夢を実現する努力がないと、物事は必ず行き詰まるのです。

ところが、夢を見るとなると、もっぱら夢を見ることにかまけてしまいがちになるのも人間です。

夢から夢を追いかける具合になって、単なる夢想に陥ってしまう傾向があります。

耕しながら、夢を見ることが大事なのです。

耕す努力を続けていれば、夢はどうしても地に足がついたものになります。

それだけ実現の可能性も高まるというものです。

http://ameblo.jp/hiroo117より
イチロー選手の「夢」についての言葉がある。

「夢や目標を達成するには 1つしか方法がない。 小さなことを 積み重ねること」

どんなに忙しかろうが、苛酷な境遇にあろうが、あるいは年を重ねようが、夢を忘れない限りいつだって未来への挑戦者でいられる。

しかし、ひとたび夢を忘れてしまったら、過去に向かって歩き続ける人となる。

ただし、夢だけを見ている「夢見る夢子さん」なら物事は一歩も進まない。

どんなに強烈な夢を持っていようと、夢だけなら弱い。

しかし、どんなに弱い行動であっても、行動は強い。

この地球は行動の星だから。

鍬を持って耕しながら夢を見る人でありたい。