相手の「左目」を見て話す

「対面のコミュニケーションにおいて、魅力が最もあふれているカラダの部位は、いったいどこか?」
という質問をされたら、あなたはどのように答えるでしょうか?

私は迷わず「目」と答えます。

特に人間同士の「話す」「聞く」というコミュニケーションのやりとりの場合、相手と目を合わせるいわゆる「アイ・コンタクト」ほど大きな影響力を持つところはないからです。

「目は心の窓」「目は口ほどにモノを言う」といわれます。

ビジネスにおける「プレゼンテーション」「ネゴシエーション」も、相手や結果に大きな影響を及ぼすのが「アイ・コンタクト」です。

「アイ・コンタクト」は、「話し方」「聞き方」と同じぐらい大切なコミュニケーション・スキルといえます。

長年にわたってアイ・コンタクトの仕方を指導してきた立場から、簡単で効果的な「アイ・コンタクト」法があります。

その最大のポイントは、「相手の両目を見ない」ということです。

両目を見ようとするから、瞬きなどをしてしまい落ち着きがなく、緊張したり、視線を外してしまったりするのです。

では、両目を見なければ、どこに目を合わせればいいのか?

ずばり、「自分の左目で、相手の左目を見る」です。

この方法を実践すると、相手とリラックスしてコミュニケーションができ、相手に好印象を与えることができます。

その理由は、主に2つあります。

1つは、「左目は『右脳』とつながっている」からです。

右脳は、感覚や感じの良さを司っています。

穏やかで感じの良い眼差しになります。

もう1つの理由は、自分の左目で相手の左目を見るため、対面していても、対角線のように若干斜めから見ることになり、見るほうも見られるほうも、プレッシャーが和らぐのです。

お互いのプレッシャーが和らげば、会話も活発化し、豊かな人間関係や相互の理解が促進して、とてもいいコミュニケーションが図れるのです。

相手と目が合うと、どうしても緊張してしまうという人に、おすすめの方法があります。

それは、『相手の鼻を見る』というものです。

直接目を見ないので、こちらのプレッシャーは半減します。

さらに、目を見なくても、相手に違和感を与えないで済みます。

鼻の位置は、顔の中心にあります。

したがって、話し手からすると、

「この人は、なんてしっかりとこちらの話を聞いているのだろう」
という気持ちになります。

逆に、聞き手からすれば、

「この話し手は、なんてキチンとこちらを見て話しているのだろうか」
となります。

つまり、話し手、聞き手に、

「しっかりと話さなければ」
「しっかりと聞かなければ」

という気持ちにさせるわけです。

この「相手をその気にさせること」が説得です。

説得は、ビジネスの最終目的でもあり、人生も説得の連続です。

「アイ・コンタクト」は、相手の頭脳や感情、行動を変容するくらいの大きな影響力があります。

「アイ・コンタクト」は、一対一の会話はもちろん、一対少人数の「討議」、あるいは、大勢の聴衆に対する「スピーチ」「プレゼンテーション」のときでも影響力があります。

ビジネスでもプライベートでも、このアイ・コンタクトの影響力を、ぜひ積極的に活用したいものです。