実は昔とは変わっている教科書の内容や表記をまとめました

西暦1192年⇒西暦1185年
これは何をもって鎌倉幕府成立とするかの議論があるためです。時系列で見てみると、
1180年 源頼朝が鎌倉に侍所を設置。
1183年 朝廷が頼朝による東国支配権を公認。
1185年 壇ノ浦の戦いで平氏を滅亡し、全国に守護と地頭を設置。
1192年 頼朝が征夷大将軍に任命。
こう見ると解釈次第でどこでも鎌倉幕府成立と見なすことができます。実際、1180年説や1183年説もあります。現在は実質的な支配権を得て、朝廷から頼朝に権力が移行した1185年が学者の中で最有力であるため、1185年となっています。しかし、これもまた今後変わる可能性はあります。

聖徳太子⇒厩戸王
厩戸王が実名であり、聖徳太子は死後100年以上経ってから後世の人がつけた名前とされるためです。また、教科書からは肖像画も消え、聖徳太子が行ったとされる内容の扱いも薄くなっています。

元寇⇒蒙古襲来
元寇という表現は江戸時代末期に定着したものであるそうで、当時はモンゴルのことを蒙古と呼んでいたためそれを踏襲する形となっています。

踏絵⇒絵踏
表現方法が昔のままだとおかしくないかと議題に挙がり変更となりました。踏ませる行為は「絵踏」であり、踏まれる絵が「踏絵」であるとするもので、確かにその方がスッキリしますよね。現在はそれぞれを区別して掲載されています。

和同開珎⇒富本銭
1999年に奈良・飛鳥京跡で日本最古とみられる貨幣が発見されたためです。和同開珎は708年に発行されたもので、富本銭は683年頃に発行されたものとされています。

鎖国⇒いわゆる鎖国
現在では断定的な表現は避けられています。なぜなら当時は長崎・薩摩・対馬・松前で海外と通じていたからです。

リンカーン⇒リンカン
マゼラン⇒マガリャンイス

現在ではどちらもよりネイティブの発音に近い表記に統一されています。

アウストラロピテクス⇒サヘラントロプス・チャデンシス
アウストラロピテクスは約250万年前
アルディピテクス・ラミダスは約440万年前
サヘラントロプス・チャデンシスは約700万年前
考古学の進歩により人類の歴史は450万年も実は遡っているのです。今後もまたしかり。

リアス式海岸⇒リアス海岸
リアスとは元々スペイン語で「入り江」を意味する”ria”の複数形です。この意味なら「式」の1文字必要ないのでは?となり削除されました。

四大工業地帯⇒三大工業地帯
かつては工業の盛んなエリアは京浜、中京、阪神、北九州の4つを指していましたが、1980年代以降北九州の生産高が減少したため、北九州は外されました。

9個⇒8個
太陽系の惑星は以前は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星でしたが、2006年に惑星の新定義が決まり冥王星が外されました。その定義は、
①太陽の周りを回っていること
②十分重く、重力が強いため丸い形であること
③まわりに同じような大きさの天体が存在しないこと
冥王星は③に引っかかり、準惑星となりました。

l⇒L
エルの小文字「l」が数字の「1」と紛らわしいため、大文字に変更となりました。

『奥の細道』⇒『おくのほそ道』
原文の表紙には松尾芭蕉の自筆で「おくのほそ道」と書かれているため、これを正式な表記としました。

My name is…⇒ I am …
「I am…」の方がカジュアルな場面でよく使われるためです。「My name is…」は仕事のプレゼンや明説、スピーチなどフォーマルな場面でよく使用されます。

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