5年前ぐらいにフラっと立ち寄った古本屋さんでこの本が目に留まった

矢沢です。

昔々あるところに、お爺さんとお婆さんがワオワオしてたんだけどさ。

お爺さんが山へ柴刈りに、お婆さんが川で洗濯してたら、ビッグな桃が流れてきたわけ。

ドンブラコ、ドンブラコって。ノッてくれ、ノッてくれって。婆さんつい拾っちゃったのよ。

その桃を切ったらさ、赤ん坊が生まれたのよ。この時点でもう、スターの素質があったのかな。

じゃあ桃から生まれたから、桃太郎にしようって。んでお爺さんが一回、俺のところに相談にきたんだよね。永ちゃん、この名前どうすかって。

んで、俺は言ったよね。いいね、その名前。いい名前なんだけどさ、俺はいいんだけど、YAZAWAがなんて言うかな?

結局、桃太郎に決まったんだけどさ。桃から生まれた子供。ヤバイ、って思ったよね。

それから桃太郎はスクスク育つんだけど、ある日急に、鬼ヶ島へ鬼退治に行きますとか言い出して。

すごいよね。桃から生まれて、鬼とケンカするとか。スケールがデカい。ドラマチックな生き方しかできないんだろうね。

お爺さんが言ったんだよ。「やっちゃえMOMOTAROH」って。

そんで、桃太郎が旅だったのよ。お婆さんから団子もらって。

NIPPON ICHIって書いてあるタオルを振り回してさ。ビッグマウス叩いて。

若いころにありがちだよね。成り上がってやろうって。でもこういうやつ、矢沢は嫌いじゃない。

そしたらさ、動物が三匹現れたのよ。ギラギラした目で、桃太郎に言ったんだよね。

「桃ちゃん、きび団子をくれたら、鬼ヶ島へお伴しゃっす」

桃太郎は思ったね。それ、最高。今どきいないじゃない。団子で命張れるやつって。

そんで犬と、キジと、ファンキーモンキーベイベー連れて、鬼ヶ島へ行ったんだよね。

そしたらさ、でかいのよ、鬼が。強そうなのよ。怖いのよ。

犬がさ、ビビっちゃって。吠えるのよ。どうすんすか、桃ちゃん。勝てるんすかって。そしたら桃太郎は言ったんだ。

「俺いる、犬いる、猿いる、キジいる。これ、余裕」

鬼達が桃太郎に気付いて、なんだお前らって言ったのよ。桃太郎も負けずに睨み返してさ、こうつっぱったわけ。

「俺、桃太郎だけど。お前ら倒して、大金掴んでビッグになるんで。そこんとこ、ヨロシク」

もう居ても立ってもいられななくってさ、全員そろって鬼に飛びかかって。シャバダバよ。

鬼達みんなボコボコにしちゃって。そしたら鬼達、もう悪さはしませんって謝るのよ。

そんで、金銀財宝とか、BRAVIAとか、プレミアムモルツとか持ち帰って、幸せに暮らしたんだけどさ。

桃太郎達が、死にものぐるいで戦って、一生かけて稼ぐ金額。矢沢の二秒。