大阪は妊婦のたらい回しは起きないのか?という問い合わせがありますが、起こらないという安心感があります。
大阪の周産期医療体制は首都圏の先生方からよく「層が暑い」「鉄壁」と言われます。
自分も地方のNICUから移籍時、強固に確立されたシステムに驚きました。大切な事なのでご紹介します
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
②大阪は一般救急と別個に整備され、妊婦にOGCS(産婦人科診療相互援助システム)、新生児にNMCS(新生児診療相互援助システム)が1980年代に構築されました。
母体搬送が発生した時、産院や救急隊はOGCSのコーディネーターの産科医に電話、その状況に合わせリアルタイム空床数を参考に受入先を探します
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
③入院必要な新生児が発生したら6つに分かれたブロックのNMCS基幹病院に連絡。
新生児科医が各ブロックのNへ受入先を探し、無ければ別ブロック基幹病院に依頼。新生児科医が迎えに行き三角搬送します。
大阪では妊婦、新生児において救急隊が何件も病院に電話し断られるという事は物理的に起きません pic.twitter.com/EQ4GndnmPq— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
④そして何より強いのは OGCSとNM CSが強固に連携が取れている事です。
OGCSコーディネーターの横にNMCS基幹病院責任者が常にいます。
早産児で自宅出産が起きた場合OGCS→NMCSと連絡が即座に行き受入先を専門家同士が決定し、新生児科医が迎えに行くか救急隊が連れてくる訳です。— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
⑤しかし、ここで大切な視点があります。
コロナ妊婦の管轄は当然保健所ですが、普段OGCSとNMCSがしてる業務の一部を周産期の現状に明るくない保健所が急に担います。コロナ対応可、感染妊婦対応可、早産児可の条件を全て満たす病床探しは専門家でも至難ですから、保健所を批判するのは酷な話です
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
⑥更にOGCSは救急医療体制とも連携し、母体救命が必要な妊婦が出た際に高度救命救急センターにコーディネーターが受入要請、所謂「死戦期帝王切開」を行います。コウノドリの鴻鳥サクラの台詞「赤ちゃん1分で出すよ」です。コウノドリであれを描けた背景は OGCSで普段から母体救命をしてるからなのです pic.twitter.com/AbKBMmlv6O
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
⑦大阪の強固な周産期システムが最も活きるのは「災害時」です。あまり知られてませんが、阪神淡路大震災や東日本大震災時には、大阪のOGCSは希望のあった被災地の妊婦を「全例」受け入れました。写真は東日本大震災時、大阪産婦人科医会がOGCS施設への要望書。こんな要望があっても全例受けられます pic.twitter.com/kCDUlf1FbM
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
⑧このOGCSとNMCSは1987年から続く大阪独自の驚異のシステムです。しかし、地方の総合周産期NICU出身である自分にとって感じる地方のNICUの凄さがあります。それは「最後の砦」で断らない姿勢です。自分が断れば県外に妊婦を出す事になる使命感は、地方の産科医や新生児科医を尊敬して止まない理由です
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
⑨多分OGCSやNMCSがいかに恵まれた環境かは恐らくOGCS、NMCS施設内で働く人間でも実感は少ない人もいるでしょう。しかし地方出身の自分にとっては悔しさを感じる程このシステムの魅力を感じると同時に、日本の周産期医療の凄まじい地域格差を感じます。
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
⑩これでも今回のコロナ禍で油断しているOGCS/NMCS医療者はいないでしょう。未曾有の感染状況下で、初めてこのシステムがどこまで耐えうるかを試されています。改めて大阪の周産期医療者も気を引き締めて日々の診療に取り組まなければなりません。最後まで読んで頂き有難うございました
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
11. 質問が多かったので補足です。NMCSは、1977年に7つの有志の病院が集まり「大阪で生まれた病気の赤ちゃん全て新生児専門施設へ入院させよう」と、ボランティア活動として始まりました。行政からの援助を受けたのはその3年後。つまり行政や医師会主導でなく、現場の有志の先生方が作ったシステムです
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
12.補足二つ目です。NMCSで感じるのは施設間の風通しの良さ。大学病院、公的、私立病院の垣根を越え「オール大阪」で構築。年に6回施設が一同に集まり症例検討会を行い、定期的に新生児セミナーを行い府内外問わず若い先生方の育成に努めてます。顔を定期的に合わせ、横と縦の繋がりが維持されます pic.twitter.com/1lmmPYzNLN
— ふらいと (@doctor_nw) August 20, 2021
当然感染状況が今後拡大すれば、鉄壁のディフェンスも崩れる時がやってきます。病床は限られるからです。油断は禁物です。
より一層の感染対策をよろしくお願い申し上げます。— ふらいと (@doctor_nw) August 21, 2021
鉄壁の周産期医療体制で、母子ともに命を助けて頂きました。1,844gで産まれた我が子は元気いっぱいの3歳になりました。感謝しかありません。東日本大震災の時の妊婦さん受け入れも入院中に看護師さんから聞いてました。震災のストレスで母乳が出なくなった新米ママの心のケアまでされたそうで…感謝。
— Bonbon@NLP??心理カウンセラー (@Bonbon72989260) August 20, 2021
31w3dで重症妊娠高血圧腎症、出産2日前に周産期心筋症を発症し、出産当日(32w1d)は血中酸素濃度69でした。コウノドリのモデルになった先生が出産当日に私の手を握って「大丈夫だからね、僕たちがついてるからね」って言ってくれ、出産後に「しんどかったね、よく頑張ったね」と労ってくれました。
— Bonbon@NLP??心理カウンセラー (@Bonbon72989260) August 20, 2021
初めまして。
私も、クリニックで2人目出産しましたが
「もし、お産の途中で何かあったらNICUのある○○病院へ搬送するからね!」
って言われて出産しました。
大阪でしか出産してないので、当たり前のように聞いてましたが、すごいことやったんですね???— よっぴ*まややん (@yopipi39) August 20, 2021
私も大阪府在住で助かりました。
双子で予めリスキーなお産になることが分かっておりNICUのある病院にお世話になっていたものの、8ヶ月で自宅で破水して、時間外に慌てて電話してもすぐに対応していただき、無事に出産できました。1500g以下で生まれた子どもらにも後遺症はなく、ありがたかったです。— 颯子 (@souko_1116) August 20, 2021
大阪在住です。
20週で切迫流産で入院になり、22週でMFICUとNICUのある病院に転院させてもらうことができました。
息子は24週で産まれ、大変な時もありましたが、今では在宅酸素もいらないほど元気に育ってくれています??
本当に、関わって下さった全ての先生方、看護師さん方に感謝しています。— sayo??BESTY?? (@Sayoka1018) August 20, 2021
私も昔大阪府で勤務していたのでNMCS懐かしいです。本当に素晴らしいシステムだと思います。
— ちゃんくろ (@d_crosskey) August 20, 2021
10日前に呼吸異常で娘が産まれました。すぐに救急搬送され、たらい回しされることなく、1軒目のNICUに入院。今も入院中ですが、酸素の吸入や抗生物質による措置のおかげで、だいぶ病状が回復してきました。酸素呼吸器が手薄な中、大阪では迅速かつ最高の医療が受けられたと感じております。
— KATSUO (@katsuo_kojiki) August 20, 2021