このブラシ状の足拭きが付いているマットを「たわしマット」とよばれることがあるんだが、実は逆で、このブラシ部分を丸めて清掃用具に使えないかという発想で発明されたのが、たわしなのよ。 pic.twitter.com/qDycqfTBqP
— SOW@新作出すよ (@sow_LIBRA11) February 5, 2021
昔は藁とかを固めたものを使ってたんだが、いまいち落ちが悪かった。んで、明治時代になってから靴が普及して、同時に足ふきマットが輸入・国産化されるようになった。
その素材のヤシの繊維を、「これ使えるな」と外して丸めたのが、いわゆる「亀の子タワシ」なの。 pic.twitter.com/KQHhGTGy0w— SOW@新作出すよ (@sow_LIBRA11) February 5, 2021
なので、国内のたわしメーカーの本社の多くは和歌山にあるんだが、その理由も、和歌山が南国でヤシの木が多く栽培されていたのが理由なの。
その運搬のために鉄道が敷かれたくらいの、一大産業だったのよ。— SOW@新作出すよ (@sow_LIBRA11) February 5, 2021
人にも物にも歴史ありです。
— SOW@新作出すよ (@sow_LIBRA11) February 5, 2021
爺さんの代まで和歌山で、戦後これを作って飯の種にしたおかげで我が家の繁栄があります。今でも和歌山の色んなメーカーと取引してますが、流石に職人さんが減ってきましたね。
— KISHI (@SSSMMMKKK4924) February 6, 2021
何気に亀の子束子ってエコな日用品かも。材料はヤシは天然物で、針金は再利用出来るし。
— ひだまりの民 (@hidamariyo) February 6, 2021
ついでに亀の子タワシが普及したおかげで、食中毒が激減したとか。
それまで食器をちゃんと洗う習慣がなかったそうな。めでたしめでたし。— いとまき (@itomakimanta) February 6, 2021
当初はシュロ繊維を針金で巻いて棒状にしたのを連ねてマットにしたが靴で踏みつけるにはシュロはしなやか過ぎてすぐに潰れて摩耗しちゃったので、棒をU型に曲げて縛り台所用品に転じ、そこから材質を調達容易でより硬いパームにしたのが亀の子束子の原型(シュロ版も現在ラインナップ中)
— fox (@fox_niconico) February 6, 2021
このブラシ部分をお洒落に着こなそうという発想で発明されたのが、この服 pic.twitter.com/M2l1XZD38O
— Mr.BASEBALL (@nattou_omelette) February 6, 2021
— tetra (@tetra1945) February 5, 2021
少年の思い
明治時代の中頃、
東京は文京区小石川です。 働く母親に甘える、一人の少年がいました。
名を西尾正左衛門といいます。
「お母さん、一緒に遊ぼうよ」
「お母さんは仕事で忙しいのよ。 お鍋の中に蒸したお芋があるから。 それを食べてから、お友達と外で遊んでらしゃい」
正左衛門はいつも、忙しく働く母親の姿を見ていました。
貧しいから、おやつはお芋ばかり。
何より母に少しでも 楽をさせてあげたい。
大きくなったら、何か売れる物を発明してお金持ちになってやる。
毎日そんなことを思い続けていたのです。
この時の思いが、亀の子束子の全ての始まりでした。
足拭きマットの失敗
大人になった正左衛門は毎日のように新しい何かを発明する事を考えていました。
そんな時に、母が働く姿を見てある商品を思いついたのです。
それは、母が編んでいたシュロを針金で巻いた新型の靴拭きマットです。
それまでの、縄を編んだだけの靴拭きマットと違い、正左衛門のマットはブラシのように泥を削り取ってくれます。
売れ行きに気分をよくした正左衛門は、特許を取って大々的に販売をしようと特許庁に向かいました。
すると「似た商品が英国ですでに特許を取っている」と思いも寄らぬ返答でした。
更にその新型マットは何回も使用したり、体重の重い人が乗ると、毛先がつぶれて効果がなくなると、欠点を指摘されてしまいました。
やがて販売したマットが大量に返品されてきました。
正左衛門の多忙で苦しい生活が続きました。
女性の立場で
そんな生活の中でも正左衛門は、新商品を発明する心を忘れていませんでした。
ある日、妻(西尾やす)が障子の桟を掃除するのに、マット用の棒、シュロを曲げてそうじをしているのを見て、新たに洗浄用の道具を思いついたのです。
大急ぎで妻から受け取り、眺めてこれだ!とひらめきました。
曲げて手に持って使う物ならば、毛先が簡単につぶれることもない!
昔から、藁や縄を束ねた「たわし」は、洗う道具として使われていましたが、
針金で巻いた棒状のシュロを洗浄用に使うのは初めてだったのです。
これを使うのは女性が多いだろうから、
女性の使いやすい形、大きさ、重さ・・・
正左衛門は妻の手を参考に試行錯誤を続けました。
命名「亀の子束子」
正左衛門は苦心の末に出来上がった新商品の特許をとる為に、特許庁へ向かいました。
この時、この丸みを帯びたものには名前がなく実用新案に登録するためにも、商品名が必要でした。
う~ん、どうしようか。
なかなか思いつかないな・・・
そんな時、息子が
「お父さん、見て見て!亀が水のなかを泳いでいるよ!」と声をかけたのです。
「亀か、なんだかこの”たわし”に似ているなぁ」
亀は長寿で縁起がよく、形も似ていて、水に縁もある。
「亀たわし・・・、親しみやすく 亀の子たわし」
「たわし」の漢字は当時の漢学者に相談して「束子」とあてはめてもらったものです。
・・・そこで生まれたのが”亀の子束子”
現代までのロングセラー
明治、大正、昭和、平成と1世紀以上同じ名前、同じ形、同じ品質、
変わらぬ人気で、世界各国への輸出を行うロングセラー商品となりました。
小さな少年の願いが、アイディアを生み大きな成功となり、
「亀の子束子」を生み出すこととなったのです。