「本棚がない」というだけでなく、「活字だけの本が家に一冊もない」という家庭は、自分が思っているよりもたくさんあって、さらにいうと「本棚を、目障りだと感じる人」がそれなりにいらっしゃることを、あるきっかけで知りました。衝撃的だったけど、自分の想像力の限界を知る機会でもありました。
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
世間話のつもりで、少し昔の話をつらつらとします。
もう十年以上前、ある展覧会で(たしか幕張メッセ)、某巨大製造業のカンファレンス(記者発表会)に参加した時のことです。わたしは開演に少し遅れて最後列に着席しました。
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
すると隣の席に座っていた恰幅のいいおじさんが、展覧会全体のパンフレットと、その発表会で配布された小冊子を熱心に見比べて、さらに向こう隣りに座る若いスーツの男性に「これ、どうして開き方が違うんだ?」と聞いているのが聴こえてきました。その二種類の冊子は、右開きと左開きで違ったのです。
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
尋ねられた男性は、「さあ…わかりません、調べておきます」と言っていて、それでも聴いたほうのおじさんは納得せず、「こういう違いはよくあるの? 何かの間違いではないだろうね?」と聞いていました。
見かねたわたしは「僭越ですが…それは縦書きと横書きで開きが違うからです」と説明しました。— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
「日本語を含む漢字圏の文章は、アルファベットと違って縦書きでも横書きでも表記できます。縦書きの場合は左から右へ読み進めますが、横書きの場合は左から右へ読み進めるので、開きが逆になるんです。そのほうが読みやすいでしょう?」と説明しました。
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
すると「なるほど!」とそのおじさんは納得してくれ、「あの…もしかしたら恥ずかしい話かもしれないけれど、こういった【開き】の話は常識の類なのでしょうか?」と丁寧に聞いてきました。「どうでしょう、自分はたまたま出版社の人間だから知っていましたが、常識かどうかはわかりません」と言うと、
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
「教えてくれてありがとうございました」とお礼を言われ、名刺を交換すると、そのおじさんは某巨大企業の部長さんで、その隣の若い男性は秘書さんでした。
その縁と、もう一度軽い偶然が重なり、その部長さんと何度か食事に行く機会がありました。あるとき、その企業の寮の写真を見せてもらいました。— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
何枚か室内の写真を見せてもらいながら、その部長さんは、「この寮の室内写真は社内報のために集めたのだけど、150枚ほど集まった写真のなかで、1枚も本棚が写っていなかったんだ。わたしはこれを、どうにかしたいんです」と相談されました。
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
いろいろな案を話し合った結果、共有スペースに「図書コーナーを作ってはどうでしょう」という話に落ち着いたのですが、その時にわたしとその部長さんでいろいろと調べたりいろんな方面に話を聞いて、「ディスクレシア」、「失読症」のことを知りました。
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
世の中には、「文字列」を認識・読解することに多大な時間がかかったり、認識自体できない人がいる。それは訓練や環境では解決しない場合がある(もちろん解決する場合もある)と知りました。
わたしの人生は、何度も本によって救われてきました。本と一緒に育ったし、本のない生活は考えられません。— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
本に囲まれた生活は「よいものだ」と思っていたし、少なくともそれが誰かの気分を害する存在だとは考えていませんでした。けれどそれはあくまでわたしの人生であって、わたしの嗜好であり、他人もそうだと思い込むのは、いささか傲慢な考えなんだと気付きました。
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
それを知ったから自分の生活や嗜好が変わるかというとそんなことはなく、今日もまた何冊か文庫本を買って喜んでいるのですが、本棚の話題がでると、いまもあのときの部長さんの、いきなり口出ししてきたかなり年下の失礼な人物(わたし)に、疑問に思ったことを迷わず尋ねる果敢な顔が浮かびます。(了
— たられば (@tarareba722) 2020年5月18日
私の夫も本が読めません。
面白いと思って勧めても三頁が限界らしく、仕方なく私があらすじを語ったり、気に入った所を読み聞かせたり、手がかります(笑)— ゆきこ (@yukitama1717) 2020年5月18日
「ビフォア・アフター」というリフォーム番組があってな。
8割以上の放送回には本棚がない。
— 朱鷺田祐介 (@TokitaSuzakuG) 2020年5月18日
失読症(dyslexia)は、たしかに日本人同士なら「みんな文字を読むのは楽しくないよ?」と突き放されがちなので有名ではないかもしれません。
私はうつ病になったときから失読症を参考にしています。
読まなければならない部分に目がいくよう、定規(?)を作ってそれを使いながら読みすすめます???? pic.twitter.com/ROoV8EMBN5
— 手洗いうがいするMasami (@Masami_Eureka) 2020年5月18日
年間100冊ハードカバーを読みますが本棚はありません。ぽいぽい買ってあっちの部屋に積んでおき、朝その中なら2冊選び、読み終わったら玄関脇の廊下にガシガシ積んでいきます。そして半年に一度BOOKOFFに来てもらい引き取って貰っています。そんなのが15年です。いい感じですよ。
— taa04 (@kurotaa) 2020年5月18日
昔バイトで引っ越しをやっていたとき、大学教授の家の引っ越しを手伝いました。
本の量は壁一面ではありません。
トラック一杯分です。— solo充ライツHIRO (@solo10Hiro) 2020年5月18日
それ、お香でもありますよね。
仏壇がある家で育った人はお香や線香も良い匂いだと感じるけど、無い家で育った人は臭い煙たいと感じる。
当たり前は人によって違うけど、自分にとっては当たり前だから他人にとっては当たり前じゃないという事に気づけない。
難しいですね。— ladybird (@wwladybirdww) 2020年5月18日
FF外より失礼します。
長男が学習障害で、おそらくディスレクシアです。
字を書いたり本を読むのは非常に苦手な小学生の彼ですが、本の読み聞かせをすると集中して聞きいります。
文字が苦手、でも本は好き、という場合もあるのだなぁと思いました— 山間塩 (@sankai73539092) 2020年5月18日
ディスレクシア(失読症)の割合は5~17%、意外と多い。
そういう家庭には本棚や活字だけの本はない。本を読まないという後輩に本をプレゼントしたのは悪いことをしたかもしれない、、
— ライトウィル@死神ギタリスト (@lightwill0309) 2020年5月18日
昔どこかで聞いたのですが、その人の喋る言葉を聞けば本を読む人かどうか分かる、というのがありました。
そして読まない人からすれば、その人の言葉は難解に聞こえるんだなぁと今ぼんやり思いました…— 七月 (@natuki0000) 2020年5月18日
ここ数年で海外と仕事することが多くなったのですが、海外では「そもそも本棚は家にあるものじゃない」というのがデフォルトの国も多いと知り驚いたことがありました。当たり前のように実家に本棚があった環境というのがすごく恵まれていたんだと痛感しました。
— S字カーブ (@Shu_G) 2020年5月18日
FF外から失礼します。高校時代の担任に「読書とは純文学を読むことです。それ以外の推理小説などは時間の無駄」と言い切った数学教師がいました(せめてもの救いは国語教師じゃなかったことでしょうか)
どちらも極めて狭い世界に生きている人という点が共通していますね。— MYK<椒>@Alea iacta est? (@mykfay) 2020年5月18日
図鑑タイプの絵本の翻訳者ですけど、絵本と言えば、子供がいつも同じ本を借りてくる、と言う方が時々いらっしゃって、それ、買って上げてくださいと言いたくなってしまうんですよね
— ナカイサヤカ@『さらば健康食神話』発売中 (@sayakatake) 2020年5月18日
子供にとっては本当に何度でも読みたい宝物だろうけど、お母さんにとっては、うちの子ったらしょうがないのよってエピソードになってしまっていて、そこがねえ。
— ナカイサヤカ@『さらば健康食神話』発売中 (@sayakatake) 2020年5月18日