ワタミの「ホワイト企業大賞」は10万円で買える

「外部評価」をしたホワイト企業大賞はどのような団体なのか。問い合わせ先は、一般財団法人フロー・インスティテュート。ホワイト企業大賞企画委員会の天外伺朗委員長は同財団法人の代表理事であり、天外氏は天外塾主宰、ホロトロピック・ネットワーク代表でもある。この3つの団体の所在地は、千代田区内の同じマンションの一室である。

フロー・インスティテュートはフロー理論に依拠するビジネス啓発団体だが、天外塾やホロトロピック・ネットワークでは研修セミナー(4日で20万円)や祈りの旅(年1、2回)を実施している。天外氏はネイティブアメリカンから「聖なるパイプ」を受け取った「長老」だったともいう。

「私たちとしてはお墨付きを与えているわけではありません。健康診断みたいなものです。応募していただいてありがとうございましたという気持ちです」(石川氏)

石川氏によると、今回は三十数団体の応募があり、31団体が受賞したという。大賞が2団体、特別賞と推進賞で29団体。ほとんどの企業が、受賞しており、受賞できなかった団体は社員アンケートの回収点数と率が低いからだったという。

特別賞の受賞名はそれぞれの委員がこれだという賞名を提案して委員会で話し合って最終決定している。たとえば「一途な思いの経営賞」「規則よりも風土文化賞」「人は石垣、ありがとう経営賞」など企業に合ったネーミングは、委員それぞれの発案にもとづく。「ミッション共感、宇宙の響き経営賞」などスピリチュアル感がこぼれる賞名も。しかし「天外はスピリチュアルではありません。理論と科学の人です」と石川氏。「われわれが何に分断されているかを考えることで、これからの自分たちを考えたいのです。歴史は勝者によって書かれるものであるため、先住民族の地を訪れては祈りを捧げています」と言う。

10万円を支払って応募すると、ホワイト企業大賞の受賞とは関係なく「ホワイト企業フェロー」の資格を永遠に与えられる