【音楽家が語る】人が楽器ケースの中に入ってはいけない理由https://t.co/PhsEX3tJkQ
基本的に「気密」に作られている場合が少なくない。脱酸素剤などが入っている場合もあるため、人が入れば普通に死ぬという。 pic.twitter.com/HTndIyXFj7
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2020年1月14日
外部からもたらされる衝撃を吸収し、中にある楽器が、ちょうど母胎内の赤ちゃんのように、クッションに守られて安全であることが必要です。
みだりに蓋が開いたりするといけないから、3つ以上の鍵と留め金で入念に閉められるようにも作られている。
これを逆に考えると、中の楽器が勝手に踊ってしまったりするといけませんから、ぴたっとはまって不用意に動かず、しかも振動に対しては防振的に反応するよう楽器ケースというものは作られている。
どういうことか。まず、一度中に入ると、身動きが取れなくなる可能性があります。
次に、外から閉められると、まずもって中からは開けることができません。
さらに、中で暴れたり外に助けをもとめようとしても、それが極力伝わらないように作られている。
そして、極めつけとして、気密で脱酸素剤などが入っている場合すら少なくない。人が入れば普通に死にます。
楽器は「生きている」といいますが、それはインストゥルメントとして生きているのであって、木材の呼吸は生命体の代謝ではなく、かつて生物であったものの物性にほかなりません。
楽器ケースの中に人間を入れると、比較的容易に「かつて生物であったもの」になるように、入念に設計されている。実は精密機器であるということが分かると思います。
大型の楽器ケースの中には、間違っても入らないようにしましょう。でないと、死にます。
かつ、窒息の苦しみは、通り一遍ではないことが知られています。楽器ケースを作っている企業としては、あまりこういう生々しいことには触れたくないと思われますが・・・。
ポップスで用いる、エレクトロニクスを用いる楽器の場合は、気密性はあまり厳密でない場合もありますが、防振や衝撃対策は、それこそ電子機器ですから、きちんと設計されています。
一度中に入って、間違って施錠されてしまったりすると、内側から開けることはまずもって不可能。
西欧中世には「鉄の処女」という棺桶型の拷問具がありましたが、ほとんどそれと変わりません。
ゴーン氏の会見でも、そのことには触れられていました。命を他人に預けたわけで、彼の脱出を非難するのは簡単ですが、65歳の男性があのような冒険に身を投じたことそのものは、大した胆力と言うべきことかとも個人的には思っています。
しかし、それはグリーンベレーが準備した「専用の手品の箱」だったからできたわけで、普通の人が不用意に入れば楽器ケースはそのまま棺桶にしかなりません。