Amazonでプロテクター探してる時に出てきたレビュー


片側二車線の大通り。交差点を時速60キロ以上で通過中に対向の右折車が発進し、バイクの右側面に直撃。
追い越し側を走っていた私は左斜め前方に投げ出され、気付けば歩道の上で倒れていました。

事故当時の装備は上半身がメッシュジャケットとそれに内蔵した胸、肩、腕、背中のコミネ製プラスチックタイププロテクター。
下半身は革パンツに膝、大腿部側面、尻に縫い付けられたソフトタイププロテクター。
それとアライのフルフェイスヘルメット、プロテクター付きグローブ。ライディングシューズ。
下半身がソフトタイプなのを除けばほぼフル装備と言って良いのではないかと思われます(あとは首周りくらいでしょう)。

実際に負ったダメージは右手首粉砕骨折及び右大腿骨開放骨折。バイクはフレームがくの字に曲り廃車。
右手首は車との接触時に右に切れたバイクのハンドルによってへし折られたと思われます。
また、車のバンパーに蹴りを入れる形で接触した右膝はプロテクターのおかげで無事でしたが大腿骨が耐えられず飛び出たようです。
どちらも装備で防ぐのは難しかったと思われます。

ここからが大事な話なのですが、身に着けていた装備品はグローブとシューズを除いて全て使い物にならなくなりました。
肩肘腰膝その他人体の突起になる部位は裂けあるいは擦れ、メッシュジャケットであれば珍しい事でもないでしょうが、これは革パンツであっても例外はありません。
中でも酷いのが背中でした。投げ出された体が地面に叩きつけられた部位です。その瞬間の記憶は飛んでいるのですがヘルメットの後頭部にも大きな傷があるので間違いないと思われます。
私は時速60から70あたりの速度で車と接触し手首と大腿骨を折り、背中から地面に叩きつけられた後も全身を強く打ち付けながら20メートル以上の距離を移動しましたが、骨折した以外の部位は筋肉痛レベルの痛みがあった程度でその翌日には引いています。
もしもプロテクターを装備していなければもう何か所か折っていたでしょう。中でも特に、背骨はその可能性が高かったでしょう。

事故からこのレビューを投稿した時点で4か月経ちます。
当時一人で起き上がる事も食事することも排泄する事も叶わぬ状態でしたが今はもう退院し、後遺症の心配なくリハビリに励んでいます。
笑い話になってきた頃に新聞で同じような状況で亡くなったライダーの記事を知り、黙っていられなくなりました。
本当は全身の世話になったプロテクター全てに同じ内容を投稿したいのですが、長いわ面倒だわで今回は中でもお世話になったであろう背面プロテクターについてとなりました。

手術費用が300万すると相手方の保険屋が泣いていました。因みに葬儀費用もそれぐらいするようです。
ところがコミネのプロテクターはなんと全身揃えても3万でお釣りが出ます。
買うか買わないか?迷う必要があるんですか?

バイクに乗って死ねたら本望だろうと言う人間がいますが、そんなのはクソくらえです。
私はバイクに乗るのは好きですがバイクに乗って死にたくはありません。
私は生きてバイクを降ります。それはもっと未来の話ですが。
皆さんもきっとそうして下さいね。