新宿駅は開業から134年間ずっと工事中

新宿駅全体の1日あたりの乗降客は約350万人。これは大阪市の人口約270万人を大きく上回り、2007年にはギネスブックが“世界で最も乗降客の多い駅”として公式認定した。

新宿駅はスペイン・バルセロナの世界遺産、サグラダ・ファミリア(聖家族教会)に喩えられることがある。サグラダ・ファミリアの工事は1882年(明治15)年に始まった。新宿駅は1885(明治18)年に開業しているが、以来、双方とも130年以上も延々と工事を続けている。つまり、どちらもずっと未完成、という意味の喩えだろう。しかし、サグラダ・ファミリアにはアントニオ・ガウディが描いた完成図がある。ガウディの没後100年にあたる2026年に竣工する予定とも伝え聞く。一方、新宿駅には完成図も完成形もない。2026年にも工事は続いていることだろう

新幹線の乗り入れ
「上越新幹線は、元々新宿駅を始発駅にしようと考えられていたのですが、建設費が7000億円を超えるため見送られたという経緯があります。現在、東京駅と大宮駅は、新幹線の容量が限界に近い。そのため、新宿駅の新幹線乗り入れは現実味を帯びています。実際、タカシマヤタイムズスクエアの地下には、新幹線用のスペースが確保されているのです」

新幹線まで乗り入れたら、乗降客数はさらに膨れ上がり、工事も延々と続くだろう。新宿駅は永久に“完成しない駅”となるのだろうか。