大学1年の時に一般教養で民俗学を履修した。
一発目の授業で先生が
「この中で地方出身者の人挙手して」
と言ったので素直に挙手したところいきなり当てられ、出身県を尋ねられた。
これも素直に「群馬です」と答えたところ、「君んちは古い家系?」と尋ねられ、「まあ割と」と答えた。— 貝澤 カイザー (@Kaiser_ritsuko) 2019年1月21日
すると先生は黒板にサラサラと略図を描き、
「君んち、大体こんな感じでしょ?
まず家の北西に防風林、その手前に家神様の祠、これは多分お稲荷さんかな、そしてその反対、南東の方角にひょっとしたら馬頭観音を祀った碑があるかも。
違う?」
と。
完璧だった。
教室は激しくざわついた。— 貝澤 カイザー (@Kaiser_ritsuko) 2019年1月21日
先生は教室が静まるのを待ち、
「皆さんは民俗学なんて得体の知れない、役に立たない学問だと思ってるかもしれないけど、こういう事ができるのが民俗学という学問です。
これから1年間、よろしくお願いします」
と微笑んだ。
未だにこれは最高の自己紹介であり最高の授業の始め方だったと思っている。— 貝澤 カイザー (@Kaiser_ritsuko) 2019年1月21日
なんで馬頭観音かと言うと、群馬で古い家は大体養蚕農家だったことが多いからです(馬頭観音は家畜の守り神。蚕も立派な家畜の一種)
ついでに言うと、防風林を構成する樹種の中に桑が多いこともピタリと言い当てられました。— 貝澤 カイザー (@Kaiser_ritsuko) 2019年1月21日
僕も民俗学に近い専門分野なので、周りからは舐められがちですが、大切な学問です。
人間のアイデンティティとか文化とかに迫っていくものであり、現地に滞在して記録していくワクワク感はそうそうありません。
冒険家やサバイバルが好きな方は絶対に好きになれる学問だと思っています。
— シュウ アジア放浪人 (@shuyeutrang) 2019年1月21日