難病の5歳の男の子、サンタの腕に抱かれ旅立つ

130kgを超える巨体と本物の真っ白なひげをたくわえたエリック・シュミットマッツェンさんはテネシー州ノックスビルの周辺地域でサンタとして活動し、人気を博している

数週間前、仕事を終えたシュミットマッツェンさんのもとに知り合いの看護師から電話がかかってきた

とても重い病気の5歳の男の子が病院にいて、サンタに会いたがっているという

15分で病院に駆け付けたシュミットマッツェンさんは、衰弱した男の子と面会

泣き出しそうになる家族らに病室から出るよう頼むと、シュミットマッツェンさんは男の子と言葉を交わした

「ぼくは死んじゃうんだって。天国に着いたら何を言えばいいのかな?」

「自分はサンタの一番のエルフ(サンタの助手役とされる妖精)だって言えばいいんだ。そうすれば天国に入れてもらえるよ」

男の子は体を起こし、シュミットマッツェンさんに思いっきり抱きつくともう1度尋ねた

「サンタさん、ぼくを助けてくれる?」

シュミットマッツェンさんは男の子を両腕で抱きかかえた

「何か言葉をかける前に、男の子はそこで息を引き取った。私はそのまま、ただ彼を抱きしめていた」

病院からの帰り道、シュミットマッツェンさんはずっと泣いていた

しばらくはこの経験が頭から離れず、もうサンタの活動を続けられないのではないかと思うほどに落ち込んだ

それでも子どもたちの笑顔や遊ぶ姿を見るうちに、再び意欲がわいてきた

「これこそ自分の果たすべき役割なんだと気づかされた。子どもたちのためであり、自分のためでもあるんだ」