小学生の時に起きた経済現象について。
うちの小学校ではお酒の瓶のふたが基軸通貨として流通していました。交換レートは、たしか鉛筆1本が酒蓋1つ、シャーペンは酒蓋3つぐらいだったでしょうか。しかし、そこに通貨危機が訪れました。— みねるば (@minerva_owl1) April 15, 2023
きっかけは私が「大量の酒蓋を手にできれば大金持ちになるのでは!」と野心を持ち、近くの清掃工場と交渉して大量の酒蓋を手にし、市場に供給してしまったことです。最初はあらゆるものを買えて王族のように振る舞えました。が、すぐに異変が起きました。
— みねるば (@minerva_owl1) April 15, 2023
まず、急速なインフレが市場を襲いました。最初は酒蓋1つで買えた鉛筆が2倍、3倍と加速度的に進んでいきます。貨幣価値が下がればインフレが起きる。そんな経済的常識は当然知らず、小学生だった私は生まれて初めて見るハイパーインフレにうろたえるばかりでした。
— みねるば (@minerva_owl1) April 15, 2023
次に質の良い酒蓋が姿を消しました。私がバラまいたのは工場から仕入れた質の低いもので、傷物ばかりでした。次第にみんな質の良い酒蓋はしまい込み、決済はこの悪貨で行うようになりました。
— みねるば (@minerva_owl1) April 15, 2023
悪貨は良貨を駆逐する。そんな言葉も当然知らず、「やったー!私の酒蓋をみんなが使ってる!」ぐらいの意識でした。しかし、経済の崩壊は目前に迫っていました。
— みねるば (@minerva_owl1) April 15, 2023
それから間もなく「またあいつが酒蓋をばら撒くかも」というマーケットの不信感が広まり、貨幣としての酒蓋に重大な信用不安が発生しました。その結果、酒蓋はもはや意味を喪失し、新通貨 牛乳キャップの導入が各地で始まりました。
— みねるば (@minerva_owl1) April 15, 2023
結果、瞬く間に酒蓋経済圏は崩壊し、私は責任を追求され、人民裁判にかけられるなどしました。当時は一体何が起きているのか何もわからなかったのですが、経済学を学ぶとあの事象の意味がようやくわかるようになりました。金融教育を受ける皆さんは、どうかこうした悲劇を避けてください。
— みねるば (@minerva_owl1) April 15, 2023
ちなみにその後、人生は楽して稼げないんだと悟った私は校内でシャーペンの加工職人(普通のペンを切ったり繋げたりしてミニペンを作る)になり、そちらでささやかに成功しました。金融や商業より、粛々と仕事をする職人の方が合っていたみたいです。
— みねるば (@minerva_owl1) April 16, 2023
リプや引用を見てみると、似たようなことは各地で起きていて、ベルマーク経済圏、どんぐり経済圏、ろうそく経済圏など、様々な経済圏が成立していたみたいですね。異なる経済圏で交易したら為替はどうなっていたんでしょうか?とても気になるところです。
— みねるば (@minerva_owl1) April 16, 2023
ミニペンが気になるという方がいたので、久しぶりに作ってみました。昔に比べると拙い出来ですが、ちゃんと使えます。小学生時代に手に職つけた甲斐がありました。 pic.twitter.com/ejnpri7if5
— みねるば (@minerva_owl1) April 16, 2023
こういう話好き
難しい経済の話を卓上でされるより名称や理論を知らずとも実体験してるのは良い経験でしたね後から現象の名前や理論を知ればその理論の説得力や現実との乖離(理論の想定する理想との差)も実感出来る
良い話です
— エディプロ 改 (@edupro0608) April 16, 2023