昨年の「エスカレータは歩くな」のお話が昨日から伸びている様ですから、またぞろご批判を賜る前に同じ話を繰り返しましょう。
①歩く事を前提に設計していない
②業界団体・施設が禁止事項としている
この2点こそが「設備を使用する条件」として重要なのであり「歩く理由」なんざ別次元の話でさ。 pic.twitter.com/DScvELGi5c— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2017年8月19日
本来は「“階段を自力で登らずに昇降できる装置”を設置しているが、現実にはそこを歩く人が多い。それは接触によって他人を巻き込む転倒・転落事故の原因となるからおよしなさい」というストレイトな話です。
業務用であれ公共の移動手段であれ、あらゆる機械設備にはそれが必須の事項でもあります。— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2017年8月19日
もちろんエスカレータは不特定「多数」の人間が利用する設備ですから、禁止してもそこを歩く人もいるであろう点は「想定されるリスク」に見積もられている事でしょう。
そして使いたいように使う人も、事故が起こればメーカーや施設の責任を問う事でしょう。
ならばどうすればよいか。使用禁止です。— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2017年8月19日
逆に言えば装置の設計上、本来定められた手順(これが法律ではないルール)を守る事で装置の利便性を享受でき、する権利が生じます。
「走らなければ間に合わない。そんな事もわからないの?」
→それは既に間に合っていません
「歩く事を前提に設計をしない方が悪い」
→それが実現するまで使うな— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2017年8月19日
確かに「片側を空ける風習が出来た経緯」にも何らかの事情はございますし、それは公に共するための機械設備の歴史としても大切でしょう。
しかし重要なのは、過去の事故を受けて「今現在」どうすべき基準になっているかと云う点です。何処に責任があるかに終始せず、事故を無くす事にもご協力下さい。— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2017年8月19日
別の原因や都合による諸事情を、あくまでも"別の問題"として切り離して考える事ができないならば、それこそお手挙げです。
そもそも国際規格に定めるリスクアセスメントの手順に沿って想定されたリスク要因は両手の指で収まりません。その一部のみ取り上げて"現実"と呼ぶのは素人でも容易ですよ。— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2017年8月19日
ここにも「納得できない」「従う理由にならない」「工夫が足りない」という批判は幾つかありました。しかしエスカレータは誰か一人だけの為に誂えて「どうか買って下さい」と売りつけた家電ではなく"公共の移動手段"です。
それを抜きに誰かを押しのける権利を主張する人まで説得するのは面倒ですね。 https://t.co/nueEBCyGB0— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年9月24日
それとですね、確かに日本にエスカレーターが初登場してから100年以上が経ちましたが、まさか今日までの設計者の仕事が「より便利に」だけにリソースを割いているなんて有りえず、歩けるように設計しないのは怠慢だと蔑む巷のデザイン批評家には賛同しかねます。
私なら「安全の実績」を優先しますよ。— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年9月24日
「自由に歩き回る大量の人間」を拘束しないまま、動力機械によって安全かつ効率的に運搬する事が如何に難しく多大なリスクを内包するかはご理解できましょうし、最初期のエスカレーターが如何にオソロシイものであったかという話も有名です。設計者の仕事とは自由なアイデアを競う事じゃねえんですよ。
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年9月24日
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年9月24日
この件に関して私はここ2年、最低限の述べるべき話は取り上げたつもりですから、それも読まずして「自分にとってはこうですが」という同じ様な話を何度ぶつけられても、改めてお答えする事はまず無いと思います。
「自分にとっては」が他の誰かを押しのける。公共の定義まで説得する義理はありません。— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2018年9月24日