【深刻】給食停止で生乳7500トンの余剰、休校で畜産業界がピンチ

「突然の臨時休校実施で学校給食向けの野菜などの取引のキャンセルが相次いでいますが、それ以上に深刻なのが、生乳の大量の余乳です。皮肉にも3月は搾乳が一番、盛んな時期。大量の余乳をどう処理するか? 畜産農家や乳業メーカーは困り果てています」(大手乳業メーカー社員)

 学校給食に提供する生乳は全国の飲用(年間約400万トン)の1割弱で、全てが国産。そのうち、最も供給量の多い関東は年間10万トンを学校給食用に使用しているという。

「関東の公立学校だけでも、2週間以上前倒しで休校になったんですから、7500トンの生乳が余ることが予想される。関東生乳販売農業協同組合連合会では、取引メーカーからキャンセルされた生乳は余力がある大手乳業メーカーに引き受けてもらうことになりますが、全国規模になるとメーカーも限界がある」(農水省関係者)

 キャンセル分は、全脂粉乳やバターなどの加工向けに振り分けているが、どの工場でも加工できる機械があるわけではない。乳製品にして、お土産品を店に並べたところで、爆買いしてきた中国人観光客は道内はもちろん日本全国から消えてしまった。売り上げが見込めない“負のループ”に陥った。