『明日地震がくる』という情報について

さきほどの茨城地震後『明日大きな地震』がくるという怪しい情報が急増しています

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【専門家の見解】東京大学地震研究所の古村孝志教授

「今回の地震は、海側のフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいる境界付近とみられる。
震源域周辺は、複雑にプレートが入り組んでいるところなので、ふだんから地震活動が活発なところだが、今回の地震は比較的震源が深く、地震の規模もそれほど大きくないので、被害を起こすような余震の可能性は高くないと考えられる。
関東周辺ではマグニチュード7クラスの首都直下地震が想定されているので、引き続き地震には備えてほしい」

【NHKの見解】

現在の科学技術では、時期・場所・地震の規模を特定した地震予知ができる可能性があるのは唯一東海地震で、それも「可能性がある」程度です。
他の地震については現在のところ予知はできません。
つまり日時と場所を特定した地震を予知する情報、しかも公的機関以外の情報は「デマ」と考えられます。
ただし日本は地震国であり、地震が起こらない場所はないと言っても過言ではありません。
日ごろから地震に対する備えをお願いいたします。

【気象庁の見解】
動物や植物は地震を予知できるのですか?

動植物には、音、電気、電磁波、匂いなどに対する感知力が人間などに比べ格段に優れているものがあることは知られています。
一方、地震は、地中の広い範囲で、固い岩盤同士が、破壊し合い、ずれ合う大きなエネルギーの集中や解放を伴うため、徐々に岩盤が変形し始めたり、地下水位が変動したりして、地震の発生前から非常に微弱で特異な音、電気、電磁波、匂いなどが周辺の地面や大気などに現れるようなことがあれば、それを動植物には感じ取ることができる場合があるのかもしれません。
しかし、動植物は地震以外の理由によって通常と異なる行動・反応をすることがあり、また、動植物自体についてまだわかっていないことも多く、ましてや地震の前兆現象も解明できていない部分が多いことから、地震の前にそうした異常行動・反応をする理由について科学的に説明できていない状況です。従って、次項の「地震雲」と同様に、動植物の行動・反応を観察することで実用的な地震予知を行うのは極めて困難と言えます。

地震雲はあるのですか?

雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です。雲のたなびく向きは、上空の気流によって支配されています。気流が地形の影響を受けることはありますが、地震の影響を受ける科学的なメカニズムは説明できていません。「地震雲」が無いと言いきるのは難しいですが、仮に「地震雲」があるとしても、「地震雲」とはどのような雲で、地震とどのような関係であらわれるのかが科学的な説明がなされていない状態です。
日本における震度1以上を観測した地震(以下、有感地震)数は、概ね年間2,000個程度あり、平均すれば日本のいずれかの場所で一日あたり5個程度の有感地震が発生していることとなります。震度4以上を観測した地震についても、平成16年で105個、平成17年で49個、平成18年で28個、平成19年で57個発生しています。このように地震はいつもどこかで発生している現象です。雲は上空の気流や太陽光などにより珍しい形や色に見える場合がありますし、夜間は正確な形状を確認することができません。形の変わった雲と地震の発生は、ある程度の頻度で発生する全く関連のないふたつの現象が偶然見かけ上、そのように結びつけられることがあるという状況であり、現時点では、科学的な扱いは出来ていません。

○月×日に□□地方で大きな地震があると聞きましたが、どうでしょうか?

現在の科学技術では、時期・場所・地震の規模を特定した地震予知ができる可能性があるのは、唯一東海地震のみです。
これは東海地震が100~150年という比較的短い間隔で歴史的に繰り返されてきたこと、発生の原因がかなり解明されていること、発生場所が陸域の地下を広く含むため観測体制が整えやすいこと等の条件が重なっているためです。
他の地震については、残念ながら現在のところ予知をすることはできません。
以上により、東海地震以外で日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられます。なお、東海地震については、その発生が予想されるような現象を観測した場合、気象庁から情報を発表します。
お聞きになった情報で心配される必要はありませんが、日本は地震国であり、地震が起こらない場所はないと言っても過言ではありません。日ごろから地震に対する備えをお願いいたします。